Project/Area Number |
23K03378
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
肥山 詠美子 東北大学, 理学研究科, 教授 (10311359)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ハイパー核 / 荷電対称性の破れ / ハイパー核物理 |
Outline of Research at the Start |
申請者が開発した厳密少数多体系計算法を駆使して、格子QCD理論に基づくラムダー核子間相互作用(ΛN―ΣN結合を含む)を用いたA=3~7のラムダハイパー核の構造計算を行い、エネルギー準位の実験データと比較することで、ΛN―ΣN結合に起因する3体力の効果を引き出す。さらに、ΛN―ΣN結合の詳細を調べるために、J-PARC実験で計画中である7ΛLiの3/2+→1/2+のB(M1)を実験(J-PARC-E63)に先駆けて予言し、実験をガイドする。また、T=1のA=7ラムダハイパー核のB(M1)を系統的に求めることで未知のΛN―ΣN結合の効果を明らかにし、将来の実験提案を行うことを研究目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
核物理分野における最重要課題の一つは、中性子星最大質量(2倍の太陽質量)を理解するために、ハイペロンパズルと呼ばれる謎を解決することである。これは、核子-ハイペロン間相互作用の中で、ラムダ粒子が中間状態でシグマ粒子へ変換するΛN―ΣN結合に起因するΛNN3体力に大きな不定性があることに起因する。このΛN-ΣN結合をハイパー核の構造研究から決めようという流れが活発化している。そこで、本研究では、申請者が独自に開発した厳密少数多体系計算法を駆使して、近年開発されている格子QCD理論に基づくラムダー核子間相互作用(ΛN―ΣN結合を含む)を用いたA=3~7のラムダハイパー核の構造計算を行い、エネルギー準位の実験データと比較することで、ΛN―ΣN結合に起因する3体力の効果を引き出すことを、本研究の目的とする。本年度は、ΛNーΣN結合に起因する荷電対称性の破れに注目した。A=7ラムダハイパー核の結合エネルギーに、荷電対称性の破れの効果を含んでいると仮定し、平均場理論を用いて、質量数が12以上のラムダハイパー核の結合エネルギーを議論した。特にカルシウムを標的核として、電子ビームでカリウムΛハイパー核の生成が、JLABで計画されていることを受けて、カリウムΛハイパー核の結合エネルギーを計算した。結果、A=7や12ラムダハイパー核において、荷電対称性の破れが存在するとしれば、カリウムラムダハイパー核においても大きな荷電対称性の破れが結合エネルギーに存在することを計算で確認した。この計算については、現在、Physical review Cに投稿すべく、執筆中であり、2,3か月後には投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ΛNーΣN結合に起因する荷電対称性の破れに注目した。A=7ラムダハイパー核の結合エネルギーに、荷電対称性の破れの効果を含んでいると仮定し、平均場理論を用いて、質量数が12以上のラムダハイパー核の結合エネルギーを議論した。特にカルシウムを標的核として、電子ビームでカリウムΛハイパー核の生成が、JLABで計画されていることを受けて、カリウムΛハイパー核の結合エネルギーを計算した。結果、A=7や12ラムダハイパー核において、荷電対称性の破れが存在するとしれば、カリウムラムダハイパー核においても大きな荷電対称性の破れが結合エネルギーに存在することを計算で確認した。この計算については、現在、Physical review Cに投稿すべく、執筆中であり、2,3か月後には投稿予定である。また、この業績に関する講演については、日本物理学会で共同研究者の一人が、成果発表を実施、また5月に、国際ワークショップで成果発表を実施する予定である。このようなことから、本研究について、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ΛN-ΣN結合の効果の研究は、JLABやJ-PRAC実験施設において重要な課題の一つであり、ラムダハイパー核の構造から情報を得る必要がある。現在、ΛNーΣN結合に起因する荷電対称性の破れに注目した。A=7ラムダハイパー核の結合エネルギーに、荷電対称性の破れの効果を含んでいると仮定し、平均場理論を用いて、質量数が12以上のラムダハイパー核の結合エネルギーを議論した。特にカルシウムを標的核として、電子ビームでカリウムΛハイパー核の生成が、JLABで計画されていることを受けて、カリウムΛハイパー核の結合エネルギーを計算した。結果、A=7や12ラムダハイパー核において、荷電対称性の破れが存在するとしれば、カリウムラムダハイパー核においても大きな荷電対称性の破れが結合エネルギーに存在することを計算で確認した。今後は、A=7ラムダハイパー核について、クラスター模型に基づき、ΛNーΣN結合を陽に取り入れて、その結合エネルギーを計算することで、ΛN-ΣN結合の効果を求め、かつ、荷電対称性の破れの効果の詳細を議論する。
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