Distance Conjecture in Quantum Gravity
Project/Area Number |
23K03379
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大栗 博司 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (20185234)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 素粒子論 / 量子重力理論 / 超弦理論 / ホログラフィー原理 |
Outline of Research at the Start |
量子重力の低エネルギー理論について、具体的な理論模型によらない一般的な性質を理解しようとするスワンプランド・プログラムを推進する。特に、スワンプランド条件の最初の例のひとつして、研究代表者である大栗がVafaとともに提唱した「距離予想」の定量化を目指す。まずAdS/CFT対応による証明を行い、そこで得られた知見を使い、ブラックホールの性質と組み合わせることで、その証明のより一般の量子重力への拡張を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究に関連して、4本の論文を完成して発表した。その中で3本はすでに査読雑誌に掲載された。もう1本は執筆中である。 "Universal asymptotics for high energy CFT data"では、共形場の理論の高エネルギー状態の相関関数について、有限温度有効理論の方法を適用して、普遍的な公式を導いた。"Universality of Effective Central Charge in Interface CFTs"では、二つの共形場の理論を結ぶインターフェースがあるときに、インターフェースを特徴づけるいわゆる有効中心荷電についての普遍的な上限価を、エントロピー不等式を使って導いた。また、"Universal Bound on Effective Central Charge and Its Saturation"においては、同じ有効中心荷電が、下限を持つことを様々な例を使って検証した。"Symmetry-resolved entanglement entropy, spectra & boundary conformal field theory"においては、共形場の理論がグローバルな対称性を持つときに、エンタングルメント密度行列が対称性の既約表現にどのように分解されるかについて、普遍的な公式を導いた。 これらの成果は、本研究の主題である距離予想を、AdS/CFT対応を使って共形場の理論の言葉で理解するための重要なステップである。実際、現在執筆中の論文では、距離予想をAdS/CFT対応の言葉で表現した場合の予想の一部について厳密な賞名を与える予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
距離予想をAdS/CFTで表現すると、共形場の理論のパラメータ空間、いわゆる共形多様体の幾何学的な性質についての主張になる。現在、この性質の一部を厳密に証明することに成功しつつある。具体的には、共形多様体の上で、共形場理論のプライマリー場の共形次元が消える極限があるとすると、その極限までの距離をザモロジコフ計量で測ったものが無限大になり、しかも共形次元が距離について指数関数的に減少することを証明した。これは距離予想で主張されていたことである。しかも、この指数関数的な減少の係数について、上限と下限を決定することもできた。これは距離予想の量子重力理論への応用にとって重要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のように、距離予想のAdS/CFT対応における証明に向けて重要な進歩があったので、まずこの論文を完成させることに努力を集中する。論文が完成後は、夏の国際会議のシーズンに、様々な国際会議でこの成果を発表して、結果を周知し、意見を求めることにする。 今回の論文では距離予想の一部について証明を行った。重要な次のステップは、今回証明した定理の逆を分析することである。すなわち、共形多様体上で、距離が無限大の測地線があったときに、その測地線にそって共形次元が消えるプライマリー場があるかどうかという問題である。 これについては、すでにいくつかアイデアがあるので、それを追求する。 また、距離予想の宇宙論などへの応用も研究していく予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)