Project/Area Number |
23K03380
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 泰 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50202320)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 可解模型 / 行列模型 / 表現論 / ゲージ理論 / 量子ホール効果 / 双対性 / ストリング理論 / 対称性 / Q変形 |
Outline of Research at the Start |
ストリング理論の進展において発見された重要な性質として「双対性」があげられる。双対性により異なる時空の対応関係や結合定数が強い系と弱い系の対応関係などが明らかになった。最近、双対性を内包した可解な系の対称性として量子変形された無限次元代数が注目されている。この研究ではこの対称性の基礎研究を推進し、さらにゲージ理論・物性理論・量子情報理論などへの応用を展開していきたい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
まず、量子トロイダル代数についての詳細なレビュー論文を執筆した。内容は、私が科研費を用いて行なった研究をもとにしており、Virasoro代数、W代数といった以前よりよく知られている代数との関係、Double Affine Hecke代数との対応、量子トロイダル代数の表現の詳しいレビュー、ゲージ理論・ストリング理論・可解模型との対応などを含む包括的なものとなった。 次に、この代数の枠組みを拡張する狙いで、非可換量子ホール効果を記述する可解模型の研究をBourgine氏らと一緒に開始した。もともと量子ホール効果はLoughlin波動関数などを通じてVirasoro代数、Kac-Moody代数などとの関係が指摘されていたが、最近Dorey-Tong-Turnerらにより非可換模型に対応する行列模型が提唱されていた。本年度の研究ではこの模型に現れる行列の対角化を行うことにより、新しいタイプのCalogero模型を導いた。さらに、その模型の厳密解を具体的に構成し、エネルギースペクトルがKac-Moody代数に現れるWess-Zumino-Witten理論と一致することを示した。これによりもともとDorey-Tong-Turnerによる提案を具体的に証明した。この模型は新たな可解模型の発見を行なったものであり、これまでの可解系の知識を用いることによりさらに新しい可解模型のヒントを与え、またトロイダル代数の発展の上でも新たな代数の発見を導くことが期待される。また、Kac-Moody代数に現れるlevel-rank双対性の興味深い関係が出現した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レビュー論文で時間がかかりオリジナルな論文の発表は一本にとどまったが、内容的には新たな可解模型の発見と同時に、その模型の具体的な解法や解が持つ非可換な構造など豊富な物理的な内容を含み将来の研究の発展の上で重要な出発点を見出すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、新たに見つけた模型のいくつかのバリエーションを見つけたい。たとえば、Trigonometric, Elliptic模型への進展はすぐにわかると考えている。また、物性などで重要なHaldane-Shastry模型の一般化も可能であると考えられている。 一方で、今見つかった模型についてはその可解模型としての構造に未知な点が多い。たとえば、Bethe仮説、Yangian対称性など通常可解模型に見られる構造の定義がきちんと行われていない。また、本来のテーマである無限次元対称性との対応関係もまだである。これらの点について次年度以降明らかにしていきたいと考えている。
|