Project/Area Number |
23K03393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
西中 崇博 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (20773021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸山 浩 (糸山浩司) 大阪公立大学, 南部陽一郎物理学研究所, 特任教授 (30243158)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 超対称性 / 弦理論 / 双対性 / ゲージ理論 / 可積分系 |
Outline of Research at the Start |
「ラグランジアン理論」と「非ラグランジアン理論」の間の対応関係の詳細を明らかにするため、ネクラソフ分配関数を用いた解析を行う。特に「共形ゲージ化されたAD理論」のネクラソフ分配関数を計算するための新手法を発展・確立させることにより、基底状態だけでなく励起状態まで含めた対応関係を解明する。またその対応関係から「非ラグランジアン理論」のS双対性を明らかにし、双対性のパートナーに含まれる新しいAD理論の分配関数の計算を目指す。また両理論に対応する可積分系がパラメーター変形の関係にあるかどうかも明らかにする。さらに余力があれば、超対称性を破ったときにこの対応がどうなるかについても調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は主に、申請書に記載した研究計画のうち「非ラグランジアン理論の分配関数の計算法の発展」と「ラグランジアン理論との対応関係の詳細の解明」に注力して研究を行なった。 まず「非ラグランジアン理論の分配関数の計算法の発展」に関しては、SU(3)フレーバー対称性を持つ非ラグランジアン理論の中でも最も単純な理論をゲージ化したものについて、分配関数を計算する公式の検証を行った。特にSU(3)ゲージ結合定数がマージナルになる場合について、ラグランジアン理論との間の非自明な対応関係の詳細を調べた。この結果は2024年度に論文にまとめて発表する予定である。 続いて「ラグランジアン理論との対応関係の詳細の解明」については、S双対性を持つ非ラグランジアン理論の代表格である(An, An)理論のBPS quiver が、対応が予想されているラグランジアン理論の BPS quiver とどのような関係にあるのかを調べた。また、非ラグランジアン理論の分配関数を弦理論の双対性を用いて計算するための新しい公式の開発も行なった。この成果は2024年度には査読論文として発表できる見込みである。さらに、4次元N=2理論を3次元にコンパクト化して得られる3次元N=4理論についても調べた。これは、4次元ではラグランジアンによる記述が知られていない理論であっても、3次元にコンパクト化するとラグランジアンによる記述を持つ場合が多いため、3次元にコンパクト化することで4次元のラグランジアン/非ラグランジアン対応をより簡単に検証できると考えたためである。この結果、コンパクト化して得られる理論の分配関数や頂点代数に関して2つの新しい成果を得た。これらの成果は2024年度中に論文として発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の初年度である2023年度は、申請書に記した具体的研究計画のうち2つについて着実に多くの成果をあげた。特に「非ラグランジアン理論の分配関数の計算法の発展」については、すでに得られていた分配関数の計算公式の正しさを検証し、またそれにより得られる、非ラグランジアン理論とラグランジアン理論の分配関数の間の非自明な関係式について、様々な角度から確認を行った。また、「ラグランジアン理論との対応関係の詳細の解明」については、BPS quiver と3次元へのコンパクト化の2つの手法により多角的に考察を行い、後者については当初は予想していなかった新しい成果を得た。 「ラグランジアン理論との対応関係の詳細の解明」の成果だけを見れば当初の予想以上に進展しているものの、「非ラグランジアン理論の分配関数の計算法の発展」として検証したSU(3)ゲージ群の場合の成果については、当初は2023年度中に論文として発表できると考えていたものが2024年度に持ち越されてしまった。このような状況を総合的に考慮した結果、本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」とすべきと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず「非ラグランジアン理論の分配関数の計算法の発展」については SU(3) ゲージ群の場合の成果を論文として発表する。また、より一般の非ラグランジアン理論の場合について、ラグランジアン理論との対応関係を明らかにする。 さらに、「ラグランジアン理論との対応関係の詳細の解明」については、BPS quiver から超共形指数を計算することにより、ラグランジアン理論との対応関係を明白にすることができないか考察する。また、4次元非ラグランジアン理論を3次元にコンパクト化して得られる理論の頂点代数に関する成果を論文として発表する。またその結果をふまえ、4次元の非ラグランジアン/ラグランジアン対応が3次元ではどのように見えるのかを明らかにする。 また、申請書に記した研究計画の3つ目である「可積分系からのアプローチ」についても考察を始める。
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