Project/Area Number |
23K03412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 克美 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50242392)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 汎関数くりこみ群 / 厳密くりこみ群 / 量子マスター方程式 / ゲージ対称性 |
Outline of Research at the Start |
自然界の基本的な4つの力はどれも量子論的に扱われた局所相互作用で表される.このような理論はゲージ場の量子論と呼ばれ,無限大にもなり得る様々なエネルギーを持つ場を含む.一方,我々が実験で観測するのは有限のエネルギーでの現象であり,高いエネルギーの場は背後に隠れた形で実験に影響を与える.高いエネルギーを取り込んだ後の低エネルギー有効理論を明確に定義する一つの方法を与えるのが本研究の目的である.
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Outline of Annual Research Achievements |
量子マスター方程式(QME)を満たす作用に,ゲージ対称性を尊重しながら,新たな相互作用を導入する方法について検討した. 量子マスター方程式(QME)とフローの方程式を同時に満たすゲージ論の作用を摂動論的に構成することができる.このことは,ヤング・ミルズ理論とQEDに関して,我々がすでに 1ループの範囲で示したことである.運動量切断を有限にたもったまま,作用の構成を具体的に実行できることも有用な結果である. 特に,4体フェルミ相互作用を導入した量子電磁気学(QED)を摂動論的に扱うと,4体フェルミ相互作用の寄与によってワード恒等式が修正を受ける.この修正はQMEとフローの方程式とは整合的に得られたものであるが,結果をより説得的に提示することを目指して別の立場(下記)から検討を始め,現在も継続中である. 汎関数くりこみ群は,有限のくりこみのもとでの有効作用の変化を記述する.すなわち,ある有限の運動量切断を持つ有効作用とそれより小さい運動量切断を持つ有効作用の関係を与える.もとの有効作用に新たな相互作用項を導入すると,下流の有効作用にはくりこみ群で指定されるあらたな項が加わることになる.この項は運動量切断に依存して変化するもので,composite operator と呼ばれる. ゲージ論への新たな相互作用の導入は,有効作用への composite operator の導入という形で理解される.QEDへの 4体フェルミ相互作用の導入をこの立場から考え直す議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
汎関数くりこみ群の手法を用いて非摂動論的にゲージ論を扱う近似法を開発することが本研究の目標である.非摂動論的扱いには,有効作用のAnsatzを選ばなくてはいけない.このとき,取り込む相互作用の形を選ぶことになる.我々は,摂動論から得られた結果とBRST対称性の構造を用いて Ansatz を構成することを目指している. コロナ禍によって共同研究者との議論の機会が減ったことで研究の遅れが生じた.また,教職員削減などに伴う研究環境の劣化により研究時間の確保が自明ではなくなっている.
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Strategy for Future Research Activity |
ゲージ論への新たな相互作用の導入は,有効作用への composite operator の導入という形で理解される.composite operatorの導入が元のゲージ対称性をどのように尊重するものか,一般的な理解を得たい. 具体的な例として,QEDへの 4体フェルミ相互作用の導入を composite operator の立場から議論し,摂動論で得たワード恒等式の修正を理解する.この課題については,2024年度に入って,Morris氏(Southampton大学)との議論を開始している. また,有効作用の2点関数が非摂動的解析において果たす役割が大きいと思われるので,2点関数のフロー方程式について理解を深める. 以上に関連して,すでに得られている研究成果を論文として公表する.
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