Vacuum structure of extra dimensions and generation structure of quarks and leptons
Project/Area Number |
23K03416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 眞人 神戸大学, 理学研究科, 理学研究科研究員 (30183817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 教寛 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (40732946)
竹永 和典 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (50379294)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 非解析項 / 有効ポテンシャル / 有限温度 / 余剰次元 / 1次相転移 / 留数積分 / 真空構造 / クォーク・レプトン / 世代構造 / 真空エネルギー |
Outline of Research at the Start |
2012 年のヒッグス粒子発見により、素粒子標準模型はその地位を不動のものにした。しかし、標準模型には多くの謎や問題が残されており、最終理論とは考えられていない。たとえば、『なぜ、クォーク・レプトンは全く同じコピーが3 つも存在するのか?』は、世代数問題とよばれる。また、『なぜ、クォーク・レプトンの質量は、図1 のように世代が上がるごとに指数関数的に重くなるのか?』は、質量階層性問題とよばれる。標準模型の枠内では、これらの問題に答えることはできない。 本研究では、量子補正を加えた真空エネルギーを最小化することによって、理論の真空構造からダイナミカルに世代数および質量階層性を解決することにある。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に円周上にコンパクト化した余剰次元模型における有限温度での有効ポテンシャルの計算をおこなった。余剰次元は任意の次元とし、全て円周上にコンパクト化されたものとした。理論にはスカラー場、スピノル場、ゲージ場を含み、相互作用として、スカラー場の自己相互作用、湯川相互作用、ゲージ相互作用を考えた。本研究では、有限温度系におけるスカラー場の1ループ有効ポテンシャルを計算し、スカラー場に対する非解析項に注目した。非解析項は、有限温度の相転移で1次相転移を引き起こすことが知られている。宇宙論的には、CP対称性の破れの解決に1次相転移が重要だと考えられている。そのため、有効ポテンシャルにおける非解析項の解析は重要である。 1ループ有効ポテンシャルの計算では、松原モードとカルーザ・クラインモードの無限和を取る必要がある。さらに、これらの無限和は発散を含んでいるので、物理的な有効ポテンシャルを得るにはくりこみが必要となる。これらのことは、有効ポテンシャルの解析を難しくしている要因となっている。実際、これまでの研究では、高温近似での初めの数項が具体的に求められているにすぎず、非解析項の全容は明らかになっていなかった。 我々は、松原モードとカルーザ・クラインモードの無限和をポワッソン和の公式を用いて、ワインディングモードに変換したあとに、くりこみを行って発散を取り除き、再びポワッソン和の公式を用いて、松原モードとカルーザ・クラインモードに戻すという手法を開発した。この表式でガンマ関数を留数積分で表すことによって、解析項と非解析項の明確な区別が可能となり、非解析項を完全に分類することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、標準模型を超えた理論として余剰次元模型を考え、標準模型におけるさまざまなパラメータを、有効ポテンシャルの最小化から決定しようというものである。そのためには、余剰次元模型に対する有効ポテンシャルを計算する必要がある。一般の余剰次元模型に対して、有効ポテンシャルを解析的に求めるためには、数学的な困難がある。その一つは、有効ポテンシャルは無限和を含み、さらにその無限和に含まれている発散を処理する必要があることである。本年度の成果は、有限温度系で余剰次元を考え、その系での有効ポテンシャルを計算し、そこに含まれる非解析項を完全に分類することに成功したことである。この研究と並行して、かなり一般的な模型における有効ポテンシャルの解析も進んでおり、来年度はこの解析を元に本研究の目的である、標準模型におけるパラメータをダイナミカルに決定していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、余剰次元模型における有効ポテンシャルの非解析項を完全に分類することに成功した。また、かなり一般的な模型における有効ポテンシャルの解析も進んでいる。 本研究課題の一番の難所は、有効ポテンシャルをいかに解析的あるいは数値的に取扱可能な形に表すことができるかである。簡単な余剰次元模型の場合は、解析的な表式に有効ポテンシャルを表すことができるが、我々が取り扱おうとしている一般的な余剰次元模型の場合は、解析的な表式を得ることは必ずしもできないと予想される。しかしながら、我々の目的のためには、解析的でなくても、数値的に取り扱える表式であれば充分である。今後は、これまで得られた有効ポテンシャルを数値的に取り扱える表式に書き換えることが、第一の目標となる。これが達成できれば、まずは簡単な余剰次元模型で有効ポテンシャルの最小化の解析を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)