Project/Area Number |
23K03439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
谷口 七重 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90546946)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 放射線耐性 / 高エネルギー実験 / 素粒子実験 / エレクトロニクス / 高放射線耐性 |
Outline of Research at the Start |
原子スイッチFPGAの素粒子原子核実験への応用を目指している。通常のFPGAでは、 半導体スイッチが使われており、放射線による電離作用によってビット情報が反転する ことをソフトエラーと呼んでいる。放射線が引き起こすソフトエラーの影響は、加速器を用いた実験や宇宙環境のみならず、地上においても問題が認識されている。放射線耐性への要求は、加速器実験、宇宙環境、地上において様々であるが、原理的にソフトエラーフリーの原子スイッチFPGAが実用化できれば、新しい検出器やシステムのデザインが可能になる。本研究は、次世代の加速器実験における高放射線耐性システムの実装に動機付けられたものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
将来の高エネルギー実験では、加速器の輝度向上や強度増強によって、非常に高いレベルの放射線環境下となることが予想され、ガンマ線等による蓄積ダメージや中性子等によるソフトエラーが問題となる見込みである。そのため、センサーやエレクトロニクスともに、高い放射線耐性が要求される。また、地表における宇宙線起因のソフトエラーがもたらすサーバーや自動運転システム、医療機器などへの影響についても注目が高まっている。 本研究では、標準的な半導体スイッチを用いたFPGAとは根本的に構造が異なる原子スイッチFPGAの素粒子実験への応用を目指している。電荷を制御することでスイッチを切り替える半導体スイッチに対して、原子による架橋の形成および消失によってオンオフを実現する原子スイッチは、電荷の影響を受けないため、原子スイッチFPGAでは原理的に中性子などによるソフトエラーは起こらない。共同研究者による放射線試験において、非常に高い放射線耐性が期待できる結果が得られている。 今年度は、素粒子実験で一般的な時間応答が速い測定器のパルス信号を読み出す前段階として、原子スイッチFPGAを中心とした環境モニター(スローモニター)の汎用基板をデザイン・製作し、中性子照射試験を行なった。中性子照射中に環境温度測定を行い、世界で初めて、原子スイッチFPGAを用いた環境モニターとして、中性子照射中の動作を確認した。この結果について、2024年4月開催のReal Time 国際会議で共同研究者による講演で報告されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、高エネルギー実験の汎用的な検出器信号を、原子スイッチをベースとしたエレクトロニクスで読み出すことを目指している。これまで前例がないことから、一足飛びに進めるのではなく段階を踏んで、まずはスローモニターを開発し、性能評価を行うことで、速い信号の読み出しに必要な条件や開発要素の知見を得ようとしている。 昨年度は、評価基板の製作および動作試験を達成したことから、おおむね順調に研究が進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の中性子照射試験では、10^11/cm2 程度の照射量であったため、さらに高い放射線レベルでの試験を行う。今回製作した基板は、市販のFPGA評価ボードのデザインを踏襲しており、汎用的なI/Oなどを搭載している。これらの機能を活用して、動作確認と性能評価をさらに進め、速い信号読み出し回路のデザインについて検討を進める。 また、ファームウェアの開発を通して、ユーザープラットフォームのアップグレードについて、企業との共同開発をどのように進めるかを検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)