Project/Area Number |
23K03568
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17050:Biogeosciences-related
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
豊福 高志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 主任研究員 (30371719)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 裕季子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 准研究員 (20822612)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | 有孔虫 / バイオミネラリゼーション / カルシウム / マッピング / cryo / foraminifera / calcification / biomineralization / mapping |
Outline of Research at the Start |
有孔虫殻の元素組成は種によって異なるが、なぜ種によって異なるのかは分かっていない。最近の我々の電子顕微鏡観察やカルシウムやpHのイメージングによって、殻形成中の石灰化部位の微細構造がわかりつつあり、石灰化部位にはカルサイトを形成する「母液」が充満していたであろうと考えられる空間が存在する。しかしこの空間はあまりに微小であるため、母液の元素組成はこれまで分析された例はない。そこで本研究では元素組成の異なる複数種の有孔虫を対象として、海水及び殻の元素組成と比較することで、「有孔虫殻の元素組成の種による違いは、石灰化母液の組成に由来する」という仮説を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「有孔虫殻の元素組成の種による違いは、石灰化母液の組成のちがいに由来する」という仮説を検証することを目的とする。この研究目的と達成するために、有孔虫の殻形成誘導法と凍結固定処理法の確立、元素組成の異なる種での分析の展開、元素組成の異なる種における分配比の比較という3段階で研究を計画している。2023年度は、第1段階の有孔虫の殻形成誘導法と凍結固定処理法の確立を実施した。 殻形成誘導法の確立については、これまでに実績のある底生有孔虫Ammonia confertitestaの手法を参考に、底生有孔虫数種を対象に実験を行った。本年度は、神奈川県横須賀市、福岡県柳川市、沖縄県うるま市において試料採取を行い、実験室で飼育した。給餌のタイミングなどを調整することで、殻形成を促進する条件検討を行い、殻形成中の個体を得る目処が立った。 並行して殻形成部位の石灰化母液の元素組成を測定する手法の検討を行った。殻形成途上の有孔虫試料に対し急速高圧凍結固定法を応用し、殻形成中の石灰化部位に含まれる石灰化母液を初生的な状態で保存して電子顕微鏡試料とすることを試みた。クライオ集束イオンビーム-走査電子顕微鏡 (Cryo-FIB-SEM)装置を用いて、試料を凍結した状態で殻形成部位の断面を切り出し、この切断面において石灰化母液部分の元素分析を行えるか検討した。氷の中に埋もれている試料を速やかに見出す工夫などを行い、ベシクルの断面を露出させることができた。EDS分析の結果、海水由来と考えられる元素を含有しているベシクルの存在が明らかになった。 これまでの進捗について、2024年1月に仙台で実施された日本古生物学会173回例会でポスター発表を行い、専門研究者と議論した。また、本課題の進捗や考え方をresearchmapのblog機能を用いて共有するとともに、SNSなどを通じて広報することを開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りに実験、分析を行うことができた。また、研究成果を広くアウトリーチする道筋をつけ、マネジメント体制も構築した。いずれも、年間の計画をたて、それに沿って研究を進めていることによって、予定通り進捗しているものと考えられる。予算執行についても各年度の分配金額で計画通り実施できる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は、cryo分析を異なる種への水平展開を行うことを計画している。その結果を主観で比較し、殻の元素含有量と、細胞内の元素を比較することを試みる。まとまった研究成果に付いてには速やかに査読付き国際誌で報告するとともに、内外学会や本研究課題のblogやSNSなどを通じて、ひろく訴求していくことで、研究成果を共有していく計画である。
|