Project/Area Number |
23K03580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 基嗣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30346085)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | グリーンコンポジット / 生分解性樹脂 / 加水分解制御 / ポリ乳酸 / 光解離性保護基 / 微視構造最適化 / 炭素繊維強化プラスチック |
Outline of Research at the Start |
まず,光解離性保護基を導入した加水分解制御PLAとCFの複合化方法を構築し,加水分解制御PLAと炭素繊維の界面接着性に及ぼす光解離性保護基導入率の影響の評価をおこなう.次に,炭素繊維強化加水分解制御PLAの静的引張およびクリープ特性に及ぼす繊維体積含有率・光解離性保護基導入量・加水分解時間の影響の評価をおこなうとともに,維体積含有率・光解離性保護基導入量に対応して紫外線照射による加水分解促進モードを発現できる紫外線強度・照射時間を探索する.これらの知見を融合して,力学特性と加水分解制御特性を最適に両立し得る微視構造因子の設計原理を構築する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,光解離性保護基を用いた加水分解制御PLAを適用したCFRPにおいて,加水分解制御特性および力学特性に及ぼす微視構造因子の影響を明らかにし,これらを両立できる最適微視構造設計原理の構築を目的とした.一年目は,加水分解制御PLAとCFの複合化方法を構築し,加水分解制御PLAと炭素繊維の界面接着性に及ぼす光解離性保護基導入率の影響を評価し,加水分解をさせながらクリープ特性を評価する方法を構築した.加えて,強化繊維との複合化による紫外線透過率を評価した.その成果は,以下のように要約される. 1)ガラスクロスおよび炭素繊維テープ(クロスプライ)とのホットプレス複合化方法を検討した結果,ガラスクロスの場合は200℃・15分の加熱+5MPa・45分の加圧で,炭素繊維テープの場合は200℃・15分の加熱+2MPa・45分の加圧で,それぞれボイド形成無しに繊維束内部まで加水分解制御PLAを適切に含侵できることがわかった. 2)マイクロドロップレット試験の結果,保護基導入PLAでは,PLAと比較して界面せん断強度が約2.5%低下した. 3)試験片を包むチューブの端にスタイロフォームで蓋をして内部に水を満たせるようにすることで,加水分解をさせながらクリープ特性を評価する方法を構築し,実際に炭素繊維強化加水分解制御PLAの水環境中クリープ試験をおこなった.静的試験の場合の最適条件と同じ20wt%の光解離性保護基導入条件下において,クリープ破断時間とクリープ破断ひずみが最大化されることがわかった. 4)ガラスクロスの場合には,2枚では約25%,4枚では7.8%,6枚では0.3%の紫外線透過率となった.また,炭素繊維テープの場合には,2枚では約0.5%,4枚では約0.1%,6枚ではほぼ0%の紫外線透過率となった.また,PLAの引張強度は,強化繊維の紫外線透過率に対応して低下した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の一年目の計画は,ホットプレスを用いて,ボイド形成や繊維配置の乱れが生じない炭素繊維強化加水分解制御PLAの成形方法を構築すること,光解離性保護基導入割合を変化させた場合の界面接着性をフラグメンテーション法・クルシフォーム法・繊維直角方向引張法により評価すること,加水分解させながらクリープ特性を評価する方法を構築しいくつかの条件で成形した試験片のクリープ試験を開始すること,の3点であった.これらのうち,1つ目と3つ目については100%の達成度であり,2つ目については評価すべき条件が一部残ったが,新たに強化繊維との複合化による紫外線透過率を評価したことにより,2年目の計画を一部前倒しで達成できた.このため,「おおむね順調に進展している」と判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,一年目計画で一部残った界面強度評価を進めるとともに,水環境中での界面特性変化を調査する方法を新たに構築する.界面強度特性発現メカニズム検討のため分子シミュレーションの適用も検討するとともに,加水分解制御PLAと強化繊維との間の界面制御方法についても検討したい.また,当初の二年目の計画通り,炭素繊維強化加水分解制御PLAの静的引張およびクリープ特性に及ぼす繊維体積含有率・光解離性保護基導入量・加水分解時間の影響を評価し,繊維体積含有率・光解離性保護基導入量に対応して紫外線照射による加水分解促進モードを発現できる紫外線強度・照射時間を探索する.強化繊維との複合化時に紫外線透過率が大きく低下することがわかったため,廃棄時の加水分解を加速させる追加の方法について検討したい.
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