Analytical study of yield point phenomena and work-hardening by dislocation accumulation modelbased on the multi-surface plasticity theory
Project/Area Number |
23K03592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上森 武 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (70335701)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 材料構成式 / 巨視的塑性理論 / 結晶塑性理論 / 降伏点現象 / 有限要素解析 / 降伏段 / 加工硬化 / 多曲面 / 転位蓄積 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,本来検討を深化すべき塑性変形を発生させる主因子である転位の運動や増殖を検討可能な構成モデルの構築を行う.具体的には降伏点後の応力軟化を伴う降伏点現象を巨視的塑性理論にて高精度に計算する材料モデルの構築とその実験検証を目的とする.本研究で構築する材料モデルの特徴は,①応力空間中の転位情報に関する背応力を用いた応力曲面の定義,②降伏点現象だけではなくその後の塑性変形を転位密度の発展を上記曲面で検討可能な解析ツールの構築である.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,塑性変形を発生させる主因子である転位の運動や増殖を検討可能な構成モデル,として,上降伏点発生後の応力軟化現象である降伏点現象を巨視的塑性理論にて高精度に計算する材料モデルの構築とその実験検証を目的としている.結晶塑性理論ではなく,巨視的塑性理論に注目している理由としては,塑性加工解析への適用を意識している点にある.結晶塑性理論は,結晶粒内のすべり変形(または双晶変形)を取り扱うことが可能であり,有限要素法を用いた高精度解析を実現する可能性が極めて高い手法ではあるが,現段階において巨視的塑性理論とは比べられないほど,多くの計算時間を必要とする欠点がある.また,この欠点を克服することを理論的に行うことは難しい. 本研究で検討する材料モデルの特徴は,①応力空間中に定義する転位情報に関する曲面を利用し,②降伏点現象のみならず主な塑性変形を転位密度の発展に関係させる解析ツールの構築を行うことである.この理由としては,実際の塑性変形発現を表す転位情報の降伏点現象への適用やその後の塑性変形のメカニズム(転位が関与する加工硬化・強化機構)を加工解析への活用した例の報告が皆無であるからである.従来のマクロ塑性理論で無視されている降伏点現象,特に,リューダース伝播を考慮することで,材料に生じるミクロ組織の変化,塑性変形と転位に関する取扱いを根本的に考え直す予定である.またその記述には,有限要素法適用が簡易になるように応力空間の使用を検討している.その際には当該研究者が開発した二曲面モデルを基礎とし,その発展を考慮する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今期においては,結晶塑性理論を用いた降伏点現象の解析実施を行った.降伏点現象を再現するために,結晶塑性理論で用いられてPan-Rice型のせん断ひずみ速度の実験式を,ジョンストンギルマン型の転位密度を考慮した構成式に変更して解析を行った.ジョンストンギルマン型せん断ひずみ速度式を使用した結晶塑性有限要素解析による単軸引張解析結果は,定性的ではあるが,弾性変形後の上降伏点,その後の下降伏点ならびにリューダース伸びを再現することができている.この材料パラメータは,現時点においては吉田らの解析結果から得られた値を使用しているが,実験結果をおおむね再現できていると思われる.十分な精度を有した実験結果がいまだ取得できていないため,その点については早急に検討を行う予定である.実験に関してはDICを使用したひずみ計測,電子顕微鏡を使用した結晶粒内における変形観察を行うことを検討している.実験結果と有限要素解析結果との整合性を早急に検討したいと考えている.また,巨視的塑性理論においては,松本らの報告では,Ti合金の鍛造加工時におけるマクロ・メゾスケールの組織・材料特性予測の際に転位密度の計算を行っている.現象論的な取り扱いではあるが,転位密度の発展を現有限要素法において提示しており,この検討は十分評価でき,可能ならば本研究で検討する構成式に,鉄鋼材料への発展という形にて導入を検討したいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
降伏点現象のモデル化に関しては,巨視的塑性理論においては超過応力理論を基礎とした吉田らの提案や結晶塑性理論においては,マルチフィジックスを基礎とした志澤らの提案が挙げられる.また,これらとは別に松本らが検討している有限要素解析を併せたマクロ・メゾスケールの組織・材料特性予測において転位密度の計算を行っている.上記優れた研究成果を参考に本研究では,巨視的塑性理論に基づいた降伏点後の応力軟化を伴う降伏点現象を取り扱うことが可能な材料構成式の構築を行う予定である. 材料モデル構築は,応力空間の使用を予定している.ただ,応力を用いた物理現象の記述が難しい場合は,部分的に線形移動硬化則による応力-ひずみ空間の線形的な橋渡しなども行うことで対応を検討する予定である. また,当初の予定では検討しきれていなかった材料パラメータ同定を効率的行う方法(実験方法およびデータの選定,遺伝的アルゴリズムに代表される材料構成式中のパラメータ設定方法の検討)の検討も行う予定である.なお,遺伝的アルゴリズムについては,その点に詳しい研究者からのアドバイスももらう予定である. なお,十分な精度を有した実験結果がいまだ取得できていないため,その点については早急に検討を行う予定である.実験に関しては最新のDICを使用したひずみ計測や電子顕微鏡を使用した結晶粒内における変形観察をメゾ,マクロレベルの両方にて行うことを検討している.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)