Project/Area Number |
23K03653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
関本 諭志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50783817)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 流体制御 / DBDプラズマアクチュエータ / 内部流 / 振動流 / 熱音響デバイス / 局所損失(マイナーロス) / 管内振動流 / 音響的局所損失低減 |
Outline of Research at the Start |
熱と音波の相互変換を利用した熱音響デバイスの高効率化において,局所的な流路形状変化で発生する局所損失の低減は重要である.本研究では誘電体バリア放電プラズマアクチュエータ(DBD-PA)に着目し,音響場内で能動的に制御することで,局所損失低減を実現する.加えて,効果的な局所損失低減を実現する設計指針を構築,及び定式化を目的とする.DBD-PAの高い駆動応答性と設置自由度に着目し,振動流の様相に対応した設置・駆動を施すことにより,音響的マイナーロスの低減を実現する.本研究では,純粋な振動流としての音波の流体制御に焦点を当て,実験・数値計算の両面のアプローチで 本研究の目的達成を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,熱音響デバイスに代表される音波によって駆動される管内振動流を対象とし,局所的に発生する損失(以下マイナーロス)を,流体制御マイクロデバイスであるDBDプラズマアクチュエータ(以下PA)により低減することを目指す研究であり,「低減の実証」「PA設置指針の構築」並びに「既存数値モデルへ組込可能な低減効果の定式化」を目的とする. 2023年度は,マイナーロスを生ずる対象形状として「テーパ管」と「曲げ管」を選択し,実験的計測を実施した.2sensor法により対象形状前後における音響場をそれぞれ同定し,対象形状において損失される音響パワーを算出した.対象形状にPAを設置して,交流高電圧を常時印加する連続駆動を行い,非駆動時の結果と比較することで,PAによる低減効果を調査した.計測の結果,いずれの対象形状においても,PAによりマイナーロスが低減されることが確認された.さらに,駆動方法を連続駆動から,断続的にON/OFFを繰り返すバースト駆動に変更したところ,主流の方向が,PAの誘起流れ方向と同じタイミングで駆動するとマイナーロスが更に低減し,一方でPAの誘起流れ方向と逆のタイミングで駆動するとマイナーロスが逆に増加することを確認した.ここまでの成果は国内学会発表(ポスター)1件として報告済みである. また,設計指針構築に向けて3次元数値計算の準備も開始している.従来熱音響デバイスで使用される理論は,熱音響的な仮定の下で流体を準一次元的に扱っているため,剥離などの3次元的な流体現象の評価は難しい.局所的な流体現象の把握はマイナーロス低減を考えるうえで重要であり,実験と計算の両輪での解明を目指す. ここまで得られた結果を踏まえて,2024年度の研究に取り組み,成果につなげる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は実験的計測による,PAによるマイナーロス低減実証を実施した.2つの対象形状において,PAの駆動条件を多様に変えた実験の結果から,PAによるマイナーロス低減に向けた基本的な制御方針を把握できた.限定的な範囲ではあるが,実験結果の範囲内でPAによるマイナーロス低減を考慮した熱音響計算モデルの定式化も実施しており,本研究の目的として掲げた内容達成に向けて順調に進んでいる,また,2024年度実施に向けて,数値計算の計算格子・コード開発も順調に進んでおり,同年度中に大型計算機を用いた大規模計算も行えるものと考える.このような状況を鑑み,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,熱音響デバイスに関する研究で従来用いられる実験的手法により,PAによるマイナーロス低減効果を実証した.実験結果から効果の高いPAの駆動方法がおおむね判明したが,PA駆動により生じる具体的な流れ場の変化や,マイナーロスにつながる理由について不明な点は多い.このことを踏まえて,2024年度は3次元数値流体解析を中心に実施し,マイナーロスを発生する対象形状周辺における流体現象の詳細解析を行い,実験結果と組み合わせることで,マイナーロス低減効果のさらなる向上を目指す.
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