Analysis of wall damping effect of turbulence using non-local eddy diffusivity
Project/Area Number |
23K03670
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
半場 藤弘 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20251473)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 乱流モデル / 渦拡散近似 / 壁面減衰関数 |
Outline of Research at the Start |
非局所渦拡散率の観点から、非一様乱流の渦拡散モデルの補正に必要な壁面減衰効果を考察する。まずチャネル乱流の直接数値計算を行い非局所渦拡散率の分布を数値的に求める。その結果を用いて、2点速度相関を用いた非局所渦拡散率モデルを検証する。さらに局所近似を行い、壁面減衰効果の物理的機構を調べて減衰関数を求める。これらの成果は壁面乱流のより普遍的なモデルを与え、数値予測の改善に有用であると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
非一様乱流の数値計算で用いられる渦粘性近似や渦拡散近似のモデルでは、壁面近くで経験的な減衰関数を使う必要がある。非局所渦拡散率の観点から壁面減衰効果を物理的に解明しモデルを改良するため、本年度は以下の研究を行なった。 1. スケール空間の乱流エネルギー密度を用いた非局所渦拡散モデルの改良:すでに提案した非局所渦拡散モデルでは、渦拡散率が2点速度相関に比例するという表式が用いられ、一様等方乱流で検証された。その際2点速度相関の値を求めるときにエネルギースペクトルを用いたが、非一様乱流ではこの方法は使えない。そこで今後の非一様乱流への拡張をふまえて、エネルギースペクトルの代わりにスケール空間のエネルギー密度を用いて2点速度相関の値を求め、渦粘性モデルの改良を試みた。第一段階として一様等方乱流の直接数値計算のデータを用いて新しい非局所渦拡散モデルを検証した。 2. チャネル乱流の非局所渦拡散率の予備計算:基礎的な壁面乱流としてチャネル乱流を扱い、準備として中程度の計算格子点数を用いてチャネル乱流の直接数値計算の予備計算を行なった。速度に加えてグリーン関数の時間発展を計算し、速度とグリーン関数の相関を評価することによって非局所渦拡散率の空間時間分布を求めた。 3. 圧縮性乱流における逆勾配拡散の解析:局所的な渦拡散モデルが適用できない例として、熱フラックスが通常とは逆向きに流れる逆勾配拡散現象がある。発熱を伴う圧縮性乱流の直接数値計算を行い、熱フラックスの輸送方程式を解析することによって、逆勾配拡散現象の物理機構を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はまず非局所渦拡散モデルの改良を試みた。エネルギースペクトルの代わりに、フィルター平均速度によるスケール空間のエネルギー密度を用いる定式化を行なった。よく知られたコルモゴロフスペクトルに相当するエネルギー密度の分布を求め、一様等方乱流の直接数値計算のデータで検証し、非局所渦拡散率のモデル式を定めた。そしてそのモデルを用いて一様等方乱流における非局所渦拡散率の空間分布と時間差依存性を求めた。その結果、定常な渦拡散率の空間分布は、エネルギースペクトルを用いた既存のモデルとほぼ同等の結果が得られ、また時間差依存性については直接数値計算の結果とよく一致し、既存のモデルより優れていることが示された。 次に、このエネルギー密度を用いた非局所渦拡散モデルを非一様乱流に拡張するため、必要な改良点を考察した。候補として、平均グリーン関数の非等方な拡散効果、平均グリーン関数と2点速度相関の壁面境界条件の設定などが考えられる。それらを検証するためにチャネル乱流の直接数値計算の予備計算を行なった。一様等方乱流と異なり、チャネル乱流では非局所渦拡散率は非等方な3次元分布をとるため、いくつかの異なる時間空間平均を用いて分布を数値的に求め、その物理的な意味を考察した。さらに壁からの距離によって異なる非一様性を解析した。 また、圧縮性乱流における逆勾配拡散の解析では、熱フラックスの輸送方程式の各項の分布を調べて考察し、逆勾配拡散現象をもたらす主要因として平均圧力勾配項が重要であることが示された。 以上のように、非局所渦拡散率のモデルの改良に加え、一様等方乱流とチャネル乱流の直接数値計算による解析も進み、現在までの研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度行ったスケール空間のエネルギー密度を用いた非局所渦拡散率の改良をさらに進める。壁面乱流に適用させるため、渦拡散率に含まれる平均グリーン関数と2点速度相関の非等方性非一様性効果をモデルに取り込む。すでに候補として挙げた効果にその他の効果を加えてさらに精査し、実際のチャネル乱流のデータと付き合わせてその重要性を調べ、本質的に必要な効果を取り入れた渦拡散率のモデルの導出をめざす。 次に、計算格子点数を増やした正確なチャネル乱流の直接数値計算を行い、より正確な非局所渦拡散率の分布を導出する。何種類かの時間空間平均を用いて、非局所渦拡散率の空間分布と時間差依存性を多面的に調査する。特に壁面垂直方向の非一様性に留意し、壁から離れた点での渦拡散率と壁近くでの渦拡散率の分布の違いをふまえて、その物理的な意味を考察する。そして上記のように改良したモデルによる渦拡散率の分布を求めて、直接数値計算で得た正確な分布と比較する。壁から離れた点では一様等方乱流で検証された渦拡散率のモデルがある程度適用できると推測されるが、壁近くでは粘性低層や壁面境界条件の影響を受け、既存のモデルの分布とは異なり、エネルギー密度の分布など多くの点で改良する必要があると考えられる。渦拡散率の非等方性非一様性と壁面効果について、直接数値計算のデータと比較することでモデルの検証をさらに進める。 また、圧縮性乱流の直接数値計算による逆勾配拡散現象の解析を引き続き進める。特に加熱量の大小による平均圧力勾配項の増減と逆勾配拡散効果の変化について考察する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)