Project/Area Number |
23K03672
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松井 純 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40251756)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 吸込水槽 / 後処理 / 数値シミュレーション / 渦 |
Outline of Research at the Start |
排水機場などに設置される吸込水槽の流れの健全性を数値シミュレーションによって判定するための、信頼性の高い手法を開発する。シミュレーションで得られた三次元速度場データに対して、大規模な渦を識別し、さらにそれらの渦の渦中心圧力や渦の強さ等を推定することで、その渦の有害度を判定する。検証は複数の水槽形状や運転条件で行い、模型実験結果とも比較する。また計算規模が比較的小さい場合の推定精度についても検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
有害渦を識別するアルゴリズムの試験対象として,やや大規模なLES計算を実験データのある吸込水槽形状に対して実施し,非定常の流速データ(データ総量約4TB) を得た. その流れ場から特に強い渦を識別し抽出するアルゴリズムを開発・改良した.抽出は主に旋回関数を用いるが,小さなスケールの乱れの影響を避けるため,数グリッドにわたる平滑化微分によって流速の微分値を推定し,その微分値から求めた旋回関数の値によって渦中心部を識別している.また,この微分値から三次元的な渦の渦心方向を推定することにより,渦の半径方向,周方向,軸方向の流速成分を正しく抽出することができた. 次に,抽出した渦の速度ベクトル分布をBurgers渦モデルで近似した.渦の回転方向流速については,比較的良い一致を示しBurgers渦のパラメタ推定ができた.一方で渦の回転軸方向や半径方向流速については回転方向流速にくらべて流速そのものも小さく,またばらつきが大きいことから,パラメタ推定の誤差が大きいことが明らかになった.ランキン渦モデルでは渦芯直径の推定誤差が大きく,渦中心圧力の推定にはBurgers渦のほうが適切であることがわかった. なお上記のような実際の流れ場以外にも,理論式にランダム値を加算したテスト用の流れ場を用意するなどして,抽出の信頼性を確認している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
やや大規模なLES計算を実験データのある吸込水槽形状に対して実施した際に,想定よりも渦の位置や強さの変化が激しく,サンプリングする時間間隔を当初の1/10にして計算をやり直す必要があった.また水面を含む計算では水面の波立ちによる不安定や変動が大きく生じたため,今回は水面を固定して水中渦を抽出しやすくした. 流れ場から特に強い渦を識別し抽出するアルゴリズムは以前から開発していたものを改良し,小さなスケールの乱れを取り除いて判定するようにした.流速分布をBurgers渦モデルに当て嵌める手法は公開されている最適化コードを使うことで信頼性を高めた.渦中心付近の計算解像度が不足の場合,周囲の軸方向流速分布あるいは半径方向流速成分から大域的な渦パラメタの推定ができることを期待していたが,計算データではばらつきがおおきく,さらに検討が必要であることがわかった.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた流れ場データを用いて,有害渦の判定方法を確立する.実際の計算では渦中心付近での解像度が不足することが想定されるので,渦周囲の流速情報から渦心のサイズを推定する方法を引き続き検討する. さらに流量と水位を変えた流れ場のシミュレーションを行い,異なる状況下での判定方法の有効性を確認する. さらに,現在のものよりも小規模な計算結果を用いて,粗い格子の計算での推定精度や補正方法について検討する.
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