Project/Area Number |
23K03682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
永弘 進一郎 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (20419154)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 負のマグナス効果 / 帯電エアロゾルの数値シミュレーション / サスペンジョン / 逆マグナス効果 / 霧 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、霧など微小な液滴が境界層剥離や流れのダイナミクスに与える影響について、新しい現象を発見し解明することを目的としています。具体的には、微粒子が流れを変えるマグナス効果に着目し、霧の帯電が境界層剥離の臨界レイノルズ数に大きな影響を与えるという仮説を立て、風洞実験を行います。この研究は、航空機の揺れを予測するための基礎研究や、可視化手法の改良につながる発展性を持っています。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度における研究実績の概要は以下の通りです。 本研究の目的は、帯電した霧粒が流体のレオロジー特性に与える影響を解明し、特に逆マグナス効果の発生メカニズムを明らかにすることです。初年度においては、実験的手法から数値シミュレーションへと主な研究手法を転換し、研究を進展させました。 初期の実験では、霧を注入することによるノイズの影響を完全に排除できなかったため、負のマグナス効果に対する霧の影響を明確に検出することが困難でした。このため、主な研究手法を数値シミュレーションに切り替え、具体的な計算手法を検討しながら、帯電エアロゾルの電磁的な相互作用が流体力学に与える影響を解析することに重点を置きました。 数値シミュレーションにおいては、回転球の表面に帯電した霧粒がどのように作用し、乱流境界層の剥離点にどのような影響を与えるかを詳細に調査します、特に、霧粒の帯電量とその分布が境界層剥離の臨界レイノルズ数および臨界スピン比に与える影響を解析するため、複数の帯電状態を設定し、その結果を比較検討する予定です。 予想する結果として、帯電霧粒が流体の実効的な粘度を増加させ、これが乱流境界層の剥離に顕著な影響を及ぼすことがあります。さらに、霧粒の電荷量が大きいほど、逆マグナス効果の発生条件が顕著に変化することが予想され、これを検証します。これらが検証されれば、航空機の揺れの予測や流体の可視化手法の再評価など、広範な応用可能性が期待できます。これにより、実験的手法と数値シミュレーションを組み合わせた新しいアプローチが有効であることが示され、次年度以降の研究の進展に向けた重要なステップとなると考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度における研究の進捗状況は、当初の計画に対して「やや遅れている」と評価しています。その理由を以下にまとめます。 まず、初年度において計画していた実験的手法により、負のマグナス効果に対する霧の影響を明確に検出することができなかったことが挙げられます。当初は風洞実験を通じて、霧の帯電が回転球の表面に与える影響を直接観測する予定でした。しかし、霧を注入する過程で生じるノイズの影響を完全に排除することが困難であり、その結果、実験データの信頼性に問題が生じました。この問題を解決するために、実験装置の調整やノイズ対策に多くの時間とリソースを費やすこととなり、研究全体の進行が遅れました。
次に、主な研究手法を数値シミュレーションに切り替えたことも進捗の遅れに影響しました。実験からシミュレーションへの転換は、計画変更に伴う準備やシミュレーション環境の整備、具体的な計算手法の検討など、多くの準備作業を必要としました。 また、数値シミュレーションの初期段階では、帯電エアロゾルの電磁的な相互作用を正確にモデル化するための技術的課題がいくつか明らかになりました。これらの課題を解決するために、追加の文献調査を行い、最適な計算手法を見つけるための試行錯誤が必要でした。このプロセスが進捗の遅れの一因となりました。 以上のような理由から、令和5年度の研究進捗は「やや遅れている」と評価しています。これらの課題に対しては、今後の研究においても引き続き解決策を講じ、計画通りの進行を目指していく予定です。具体的には、シミュレーションと実験を組み合わせたハイブリッドなアプローチを採用し、効率的な研究推進を図るとともに、研究成果の早期達成に向けた体制強化を進めてまいります。
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Strategy for Future Research Activity |
数値シミュレーションと実験の併用によるハイブリッドアプローチを強化します。数値シミュレーションでは、帯電エアロゾルの電磁的相互作用が流体のレオロジー特性に与える影響を詳細に解析し、その結果をもとに実験計画を精緻化します。具体的には、シミュレーション結果を基に最適な霧の帯電量や密度、霧粒の分布を設定し、それに応じた実験を行うことで、効率的かつ効果的なデータ取得を目指します。これにより、実験とシミュレーションの相互補完的な活用によって、研究の進捗を加速させます。 次に、実験装置および測定手法の改良を進めます。初年度において課題となった霧の注入に伴うノイズの影響を排除するため、新たなノイズキャンセリング技術や精度の高い測定機器を導入します。具体的には、風洞実験装置の改良や、霧の密度および帯電量を正確に測定するための高感度センサーやレーザー計測装置の導入を検討します。また、霧の帯電状態を制御するための新しい生成装置や、帯電量をリアルタイムで測定するシステムを開発し、実験の再現性と精度を向上させます。 さらに、研究協力者との連携を強化し、数値シミュレーションの高度化や実験手法の開発において専門的な知見を共有します。また、他の研究機関や企業との連携も模索し、帯電エアロゾルの研究に必要な技術や設備の導入を進めます。これにより、多様な視点からのアプローチを取り入れ、研究の質を高めることを目指します。 加えて、研究成果の早期公開とフィードバックの活用を進めます。研究結果を国内外の学会や専門誌に積極的に発表し、最新の研究動向や他研究者からのフィードバックを得ることで、研究の方向性を適時修正します。また、学会発表や論文執筆を通じて得られた知見を次年度以降の研究に反映し、研究の進展を図ります。
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