Project/Area Number |
23K03683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
城野 祐生 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (80353233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 公一郎 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50370028)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 油中水滴 / ゲルビーズ / 細胞包括 / マイクロリアクター / マイクロビーズ / 細胞 / 流動層 / ゲル |
Outline of Research at the Start |
マイクロリアクターシステムで細胞にとって最適な培養環境を提供するプロセスの構築を目指す。マイクロリアクターで細胞内包用のマイクロゲルビーズを生成し、生成したビーズを浮遊プロセスにて培養するマイクロ流動層型新規培養プロセスの構築を行う。細胞をマイクロビーズに内包することにより、コンタミや衝撃等の外的影響からの保護性が期待でき、スクリーニング等の操作性が向上する。本研究では、細胞内包の前段階としてマイクロリアクターによる液滴やゲルビーズ等の生成手法の確立、および、生成ビーズを浮遊させるマイクロ流動層の構築を行い、ビーズ性状と流動状態・特性の関係を実験および数値シミュレーションにより解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマイクロリアクターシステムで細胞にとって最適な培養環境を提供するプロセスの構築を目指すものである。マイクロリアクターで細胞内包用のマイクロゲルビーズを生成し、生成したビーズを浮遊プロセスにて培養するマイクロ流動層型新規培養プロセスの構築を行うことが本研究の目的である。 令和5年度の研究実施計画は『マイクロビーズ生成プロセス』の評価である。『マイクロビーズ生成プロセスの評価』ではマイクロリアクターでのビーズの生成過程と生成後のビーズの性状評価を行うことを目的として取り組んだ。 まず、2021年度から着手済のリアクター装置を用いて油中での液滴生成と生成した液滴の性状評価を行った。マイクロリアクターに送液する試料の流量と生成される液滴サイズの関係が明らかとなった。生成される液滴は粒度分布がシャープであり、安定して連続生成が可能であることが確認された。さらに、液滴をゲル化させたゲルビーズの生成と評価に着手した。イオンによりゲル化するアルギン酸を用いて条件と生成ゲルビーズの性状の関係を調査した。今年度実施した条件では、ゲルビーズの生成は限定的であり、また不安定であることがわかった。この実験については条件の見直し等を図り、次年度継続して実験する必要がある。 また、液滴やゲルビーズに細胞を封入するための基礎実験として、細胞を模擬したPMMA粒子の封入率を調べる実験を行った。リアクター中での分散機構の導入や粘度のコントロールにより封入率を上昇させることができることが確認できた。令和6年度はゲルビーズの生成条件の確立と細胞を模擬した粒子の封入条件の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は『マイクロビーズ生成』、『ゲルビーズ生成実験の試行』、『マイクロ流動層装置の改良』に取り組む計画としていた。 まず『マイクロビーズ生成』は3Dプリンターで作成した流路を用い、油中水滴の生成状態に関して、生成条件と液滴粒度の関係を調査した。3Dプリンターで作成した流路は流動状態を考慮して製作のしなおしを3度行った。マイクロリアクター中の流動状態は高速度カメラを用いたPIVシステムでの計測環境を構築し、生成されるビーズの粒度を連続測定できるように整えた。流動条件と生成されたビーズサイズや粒度分布、生成量を評価できた。次に『ゲルビーズ生成実験の試行』としてゲルビーズの生成の試行を行った。ゲル生成には温度によりゲル化するゼラチンや人工イクラと同様のアルギン酸系材料のうち、アルギン酸系材料を用いたゲルビーズの生成に着手した。今年度は生成されたゲルビーズが不安定であり、引き続き調査が必要であるが、今年度試行した結果をもとに次年度の実験を計画する。『マイクロ流動層装置の改良』については従来から用いている流動層装置の流動条件と今回生成したマイクロビーズの生成サイズを踏まえて、流動条件の確立と必要な装置の検討を行った。 研究分担者である大分高専の尾形教授とはオンライン会議を数回実施し、対面でも2度打合せを行った。実験データに対する議論や今後の方針等に対する意見交換を行った。 以上のように計画していた内容を実施できており、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は『マイクロゲルビーズ性状評価』、『マイクロ流動層の流動状態・流動特性の実測と解析』に取り組む。液滴に加え、ゲルビーズの生成と性状評価を行う。性状評価は粒度分布測定と画像解析による形状指数の算出を予定している。マイクロ流動層の実験はゲルビーズ生成の実験と同時並行で進め、ゲルビーズを想定した固体粒子を用いて粒子性状と流動特性の関係を調査する。さらに、マイクロ流れ場の解析としてCFDソフトを使用した二流体モデルによる解析により流動状態を評価する。 令和7年度は 『マイクロビーズを用いた流動化状態の評価』に取り組む。将来、細胞培養への適用を目指して、定常で長時間安定した流動化状態を目指す。マイクロ流動層の装置の構造も関係すると考えられるため、分散板の状態等についても検討を行い、ビーズ性状と流動化状態との関係を明らかにする。研究成果は混相流学会等で発表、論文投稿する。 研究分担者である大分高専の尾形教授とは粒子性状の評価や生成状態等の考察について協力して実施していく。また、ゲルビーズ生成の調査を効率よく推進するため、ゲルが専門である佐世保高専の森山准教授を令和6年度より研究分担者として追加する。これにより今後のゲルビーズ性状条件や評価が促進できるものと考えている。
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