Project/Area Number |
23K03735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 祐志 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (00456691)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 転動型動吸振器 / 非線形動吸振器 / 制振 / 機械力学 |
Outline of Research at the Start |
地震や風などによる構造物の振動を抑えるため,構造物には動吸振器と呼ばれる制振装置が取り付けられている.本研究では,転動面と呼ばれる曲面上を円柱などの物体が転がることで構造物の振動を抑制することができる転動型動吸振器を用いて,シンプルで,メンテナンスを必要としない制振装置の開発を目的とする.よりよい制振性能をもつ制振装置を開発するため,物体が転がる曲面の形状を様々に変化させた転動型動吸振器を構造物に取り付け,正弦外力を加えた構造物に生じる振動を解析および実験により調べる.
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度には,転動型動吸振器の制振について,円形状の転動面,楕円形状の転動面に対する制振性能について調べた. (1)水平方向に振動する1自由度系としてモデル化した構造物に円,および楕円形状の転動面をもつ転動型動吸振器を取り付けた系を考え,構造物に正弦励振が加わる場合の運動方程式を求め,van der Polの方法により共振曲線を近似的に求めた.また,実験装置を設計・製作し,実験を行い,解析結果と比較することで,その妥当性を調べ,以下の結果を得た.(a) 円形状,楕円形状の転動面どちらの場合においても,構造物の制振が可能である.(b) 解析においては転動体が転動面から離れるジャンプ現象が発生する可能性があることが示されたが,実際にはジャンプ現象が起こる可能性は低く,非常に軽い転動体を用いてはじめてジャンプ現象が発生する.(c) 特に楕円形状の転動面をもつ動吸振器の場合において,転動型動吸振器の固有角振動数が,解析の場合と異なるため,実験と解析でずれが生じている. (2)遺伝的アルゴリズムを用いて,(1)で求めた共振曲線の最大振幅を最小化する円形状,および楕円形状の転動面と転動体の半径の組み合わせを求め,以下の結果を得た.(a) 転動面が円形状の場合と楕円形状の場合を比較すると,楕円形状の方が高い制振性能を示す.(b) 減衰の大きさが転動型動吸振器の制振性能に大きく影響を与える. (1)の結果において,解析結果と実験結果が異なるため,実験装置を見直し,再度実験を行う予定である.また,(2)の結果を参考に実験装置を作製し,より制振効果の高い動吸振器となるかについての確認行う必要がある.また,動吸振器の減衰についても,変更する方法を考案し,制振性能を確かめる必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
円形状,楕円形状の場合の解析結果と実験結果に差が生じてしまった.この原因について,解析,及び実験装置の見直しを行う必要がある.特に解析と実験の固有角振動数のずれが大きいため,この原因について明らかにしなくてはならない.このため,楕円形状の転動型動吸振器に関する研究発表が難しい状況となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,学生と共に実験を再度やり直し,固有角振動数のずれについての問題を洗い出す.実験では動吸振器を構造物に取り付けた状態でのみ実験を行った.これは,転動体の状態測定が困難なためであった.そこで,簡易的ではあるが,転動体単体について,構造物から取り外した状態で,固有周期を求め,その固有角振動を解析結果と比較する.また,転動面の取り付けの際に転動面が傾いていた可能性があるので,その場合の実験も行う予定である.このように問題の原因を明らかにしていく予定である.
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