Project/Area Number |
23K03757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20020:Robotics and intelligent system-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中山 昇 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (80336445)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 導電性 / カーボンナノチューブ / 粉末成形 / 複合材料 / 導電性高分子 / センサー / カーボンナノファイバー |
Outline of Research at the Start |
ロボットなどのセンサ用材料として用いられている従来の導電性高分子材料は、導電材料を均一分散することを目的としており、導電性を発現させるためには多くの導電性材料を添加しなければならないとされている。しかし申請者は、導電性材料の含有率Wfが、ある量を超えると電気抵抗が急激に減少し、また、導電性材料の含有率Wfが同一であっても、垂直荷重Pnが増加すると電気抵抗が劇的に減少することを発見した。これらは、偶発的に構築されるパーコレーション構造が発現させていると予測される。 本研究では、複合材料中に意図的にパーコレーション構造を設け、本構造によってもたらされる電気特性の劇的な変化の発現条件の解明に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、複合材料中に意図的に設けたパーコレーション構造によってもたらされる電気特性の劇的な変化の発現条件を解明することにある。 VGCFの添加量を変化させ、PC粉末の表面にVGCFがコーティングされた混合粉末を設計する。その後、混合粉末に対して、成形温度を変化させて板状に成形したPC/VGCFを用いて電気特性や内部構造を評価した。 VGCFの添加量を2.0 vol.%一定としてボールミリングを用いてPC粉末の表面に付着させた。混合したPC/VGCF粉末を金型に充填しホットプレスを用いて、板状に成形した。成形応力を10MPa、保持時間を60min一定とし、成形温度を200~280℃と変化させPC/VGCFの成形体を作製した。成形体寸法は100×100×3mmである。ダイシングソーを用いて10×10×3mmに個片化した試験片を用いて評価した。 PC/VGCFを2枚の電極基板に挟み込み、安定化電源を用いて一定の電圧を印加した状態で、垂直荷重を0~500Nと連続的に負荷したときのPC/VGCFの電圧を連続的に計測した。測定した電圧からPC/VGCFの電気抵抗を求めた。 その結果、成形温度を変化させて、コーティングの状態を保ちつつ成形される温度条件を明らかにすることができた。さらに、PC/VGCFの成形温度が低下すると、局所的なVGCF含有率が増加しPC/VGCFの電気抵抗が低下することがわかった。均一にVGCFが分散したPC/12.5vol%VGCFよりも少ないVGCF添加量(2.0 vol.%)でも荷重に伴い抵抗値が変化することがわかった。成形温度を低下させると、局所的なVGCF含有率が増加し、抵抗の変化が増加した。以上より、VGCFの添加量が一定であっても成形温度によりPC/VGCFの局所的なVGCF含有率が変化し、PC/VGCFの電気的特性が変化することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の計画通り、成形温度を変化させて、コーティングの状態を保ちつつ成形される温度条件を明らかにすることができた。さらに、電気抵抗を測定し、成形温度と抵抗の関係を明らかにすることができた。また、電子顕微鏡などを用いて、PC/VGCFの内部組織を確認することができた。 したがって、申請書の計画通り、研究が遂行されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の結果を用いて成形温度を変化させて、コーティング状態を保ちつつ成形される温度を用いて、VGCFの添加量における、混合粉末製造の回転数や回転時間の条件を確立する。 また、曲げ試験などを行い機械的性質を明らかにすることで、VGCFの分散状態を明らかにする。
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