Project/Area Number |
23K03759
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20020:Robotics and intelligent system-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高岩 昌弘 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (60243490)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 超精密位置決め / 汎用型空気圧アクチュエータ / 空気圧サーボ / 位置制御系 / 外乱オブザーバ / 過渡応答改善 / 空気圧シリンダ |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、空気圧アクチュエータの超高精度位置決め技術を確立することを目的とする。空気圧アクチュエータは、防爆性を有し、発熱の心配もなく、コンパクトながら大きな負荷を駆動できる等、産業用途として多くの魅力を有する反面、空気の圧縮性に起因する低剛性特性のため、位置制御時に摩擦力の影響を受けやすく、高精度な位置決めには不向きであった。本提案手法では既に汎用型エアーシリンダの位置決めにおいて0.2ミクロンの繰り返し位置決め精度を実現している。本課題では、これをさらに深化・発展させ、種々の応用分野への横展開をはかり、産業界におけるパラダイムシフトを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず,リニアタイプの空気圧シリンダに対するさらなる定常特性の改善を行った。本手法による位置決め精度は測長センサの分解能に大きく依存するため,分解能が6.1pmの測長センサを新たに導入した結果,繰り返し位置決め精度が数nmとなることを確認した.また,1nm毎の送り動作(5ステップ送って5ステップ戻す)も実行できることを確認した。 一方,回転型の空気圧ロータリアクチュエータにおいては,1/1,000度毎の送り動作を行った際の位置決め誤差が±1/10,000度に収まることを確認した。これらの位置決め精度は電動アクチュエータのそれを凌駕すると同時に,電動アクチュエータでしばしば問題となる発熱の問題が空気圧アクチュエータでは存在しないため,産業界における精密作業分野への応用展開が大いに期待できるものと思われる。 さらに今年度は定常特性のみならず,過渡特性の応答改善手法についても検討した。具体的にはメインコントローラ部に導入している外乱オブザーバのフィルタ構造を工夫することで,2型の制御系を実現した。従来の1型制御系では制御対象の粘性項までしかモデルに帰着できなかったが,2型制御系にすることで慣性項までモデルに帰着させることが理論的に証明でき,結果として慣性変動に対して不感(ロバスト)となる制御手法を提案した。さらに、このように高次までモデルに帰着された制御対象のダイナミクスを相殺するフィードフォワード制御の導入により,目標軌道に対する高い追従性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の実施目標である「ナノメートルオーダーの位置決め精度を実現する補償法を提案し、その有効性を定量的に評価する」に対しては、ほぼその目標を達成できたと考えている。また、本年度は位置決め精度という定常特性のみならず、動的に変化する目標軌道に対する追従特性の改善という、過渡応答特性の改善において、2型制御系の導入による制御系のロバスト性向上とフィードフォワード補償の組み合わせによるダイナミクスの相殺という手法により実現できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本提案手法はアルゴリズムであるため、社会実装する上で特許の侵害を見抜けない可能性がある。また、本手法はメインコントローラではなく補償器として実装可能であるため、容易に現在使用している制御環境に組み込んで使用できる特徴を有することから、令和6年度は提案する補償アルゴリズムをハードウエア化することを目標とする。 まずは、マイコンを用いて提案する補償アルゴリズムが計算した値を電圧値として出力する回路基板を作成し、一般的な空気圧サーボ系における制御弁の印加電圧に重畳することで、制御アルゴリズムとしてソフト的に実装した場合と同等の制御性能が実現できるかどうかを確認する。次に、同等な制御性能が確認できた場合は、回路基板の小型化をはかる。具体的にはFPGAによるワンチップ化を最終的な目標形態とする。
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