Project/Area Number |
23K03764
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20020:Robotics and intelligent system-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
柴田 瑞穂 近畿大学, 工学部, 准教授 (70454519)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 多面体ロボット |
Outline of Research at the Start |
本研究では,多面体ロボットの転がり移動を実現する.多面体ロボットでは床に対して面で接地するため,斜面において制御することなく静止することが可能である.多面体ロボットは,このような特徴を持つにも関わらず,その構造の複雑さから研究例が少なく,どのような制御指令を与えれば全方向に移動可能か,効率よく移動することが可能かなど,その力学構造は未知の部分が多く,設計論が確立していない.本研究では,多面体内部に偏心モータを有する転がり移動ロボットを提案する.この多面体転がり移動ロボットの力学モデルを構築し,その力学特性を明らかにすることを目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,多面体ロボットの転がり移動を実現する.多面体ロボットでは床に対して面で接地するため,斜面において制御することなく静止することが可能である.多面体ロボットは,このような特徴を持つにも関わらず,その構造の複雑さから研究例が少なく,どのような制御指令を与えれば全方向に移動可能か,効率よく移動することが可能かなど,その力学構造は未知の部分が多く,設計論が確立していない.本研究では,多面体内部に偏心モータを有する転がり移動ロボットを提案する.この多面体転がり移動ロボットの力学モデルを構築し,その力学特性を明らかにすることを目的とした. 2023年度は,主に静力学モデルおよび動力学モデルの構築を目指した.多面体ロボットが転がらない最大の傾斜角を耐久角と定義し,偏心モータを搭載した場合の耐久角を静力学モデルから算出した.その結果,偏心モータが重力によって鉛直方向を維持する過程の下では,耐久角と接地面の長さの間に単調増加の関係があることが明らかになった.これは,偏心モータを搭載しない場合も同様の結果であり,偏心モータが耐久角に大きな影響を与えないことが確認された. 動力学モデルを利用して,多面体ロボットが回転する条件の導出を試みた.回転条件はZMP(Zero Moment Point)に基づいて導出された.解析により,モータの角速度の大きさを大きくすると,ZMP の位置がロボットの支持多角形の外側の方向に移動することが明らかになった.ZMP がロボットの支持多角形の外側にある場合,多面体ロボットは回転する.動力学モデルに基づく定式化は,モータが等速円運動を行うときに多面体ロボットが回転する条件が明らかになった.この定式化に基づいて,角速度はロボットの質量に基づく限界値が存在し,適切な値に設定する必要があることも示唆されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題では,多面体転がり移動ロボットの力学モデルを構築し,その設計論を確立するために,2023年度は,主に静力学モデルおよび動力学モデルの構築を目指した.静力学モデルを通して,搭載した偏心モータが耐久角に大きな影響を与えないことが確認された.動力学モデルを利用して,モータが等速円運動を行うときに多面体ロボットが回転する条件が明らかになった.この定式化に基づいて,角速度はロボットの質量に基づく限界値が存在し,適切な値に設定する必要があることも示唆されている.2023年度の当初の予定では,力学モデルの導出に加えて,モデルから得られた知見を実機実験により確認し,モデルを補強する予定であった.しかしながら,モデル構築に予定よりも時間を要し,実機による検証まで実施できなかった.その結果,実機製作に関わる予算を利用できなかった.2024年度では,実機によるモデルの検証を行うために,2023年に利用予定であった予算を繰り越して利用する.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度の当初予定に挙げられていた実機による力学モデルの検証を実施する.具体的には,静力学モデルを検討するために,多面体の外殻に,偏心モータを搭載した場合,搭載しない場合の,耐久角を計測する.必要に応じて,静力学モデルの再構築を実施する.動力学モデルを検討するために,偏心モータを搭載した多面体ロボットの転がり実験を実施する.特に,フォースプレートを利用してロボットの運動時の床反力を計測し,モデルの妥当性を評価する.必要に応じて,動力学モデルの再構築を実施する. また,2024年の当初目標であった全方向移動を実現する制御方策の構築を目指す.得られたモデルを利用して,効率の良い移動を可能とする偏心モータの角速度が存在するかを検討する.また,複数の偏心モータを利用することで,超信地旋回の実現を検討する.並進および旋回運動を組み合わせることによって,本多面体ロボットは非ホロノミック運動を実現することが可能となる.
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