高トルクステータモジュール型バーニアモータの開発に関する研究
Project/Area Number |
23K03797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
戸高 孝 大分大学, 理工学部, 教授 (50163994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 尊 大分大学, 理工学部, 助教 (90647554)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 駆動用モータ / ステータモジュール構造 / 閉磁路型励磁器 / 磁場中熱処理技術 / 鉄損分布測定 / 巻線方式 / ギアドモータ / 方向性電磁鋼板 / 磁場中熱処理 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,方向性電磁鋼板の効果的なモータへの利用技術を構築し,高効率・高トルクな駆動用モータの開発を行う。方向性電磁鋼板の効果的利用技術としては巻鉄心を使用し,低鉄損化を実現するため磁場中熱処理技術を確立する。巻鉄心は加工後に熱処理を行う必要があるため,磁路方向に磁場を印加できる永久磁石を用いた熱処理技術を開発する。これにより,高速運転が必要な電気自動車用モータにおいて渦電流損失をより低減して高効率化を実現する。また,鉄心での磁束変調が可能なモジュール構造によって,磁気ギアの機能をもたせ低速時の高トルク化を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
方向性電磁鋼板の巻鉄心コアを用いたステータモジュール型バーニアモータの巻線方式とロータ極数のトルクへの影響を有限要素磁界解析により明らかにした。高トルクを得るためには,径方向の高調波磁束密度成分だけでなく,周方向の成分も重要であることや,検討したモデルにおいては第5次高調波を発生させるモジュール巻線構造が高トルク化に有効であることが分かった。また,コイルピッチと磁石ピッチに最適値があることが分かった。(「ステータモジュール型バーニアモータの巻線方式とロータ極数の影響」,AEM学会誌,Vol.31, No.2, pp.264-271, 2023 June)。 永久磁石を用いた磁場中熱処理技術の開発については,実績のあるアモルファスシートを用いて開磁路型磁化器を設計・試作し基礎的実験を行った。その結果,永久磁石を用いた方法でも磁気特性は改善するものの,電磁石型磁化器に比べて改善率が小さかった。理由としては永久磁石からの漏れ磁束が多く,試料に鎖交する磁束が少ないためと考えられ,対策として閉磁路型磁化器を設計することにした(「アモルファス磁性材料の永久磁石を用いた磁場中熱処理効果」,電気学会A部門大会, 2023 Sep.)。 磁気特性が組立・加工により劣化することの影響を明らかにするために,レーザーカット加工を施した電磁鋼板の鉄損分布の評価を,赤外線カメラを用いた熱的鉄損測定法により行った。本方法によれば,U字カットコアの鉄損分布を測定でき,熱処理条件の最適化の検討に有効に利用できることを明らかにした。(「熱的鉄損測定を用いたレーザーカット加工を施した電磁鋼板の鉄損分布の評価」,AEM学会誌,Vol.31, No.2, pp.305-311, 2023 June)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ギャップ磁束密度が一定の場合,トルクを大きくするためにはロータ径を大きくする必要があるが,その場合アウターロータ構造の方が有利である。しかしながらU字カットコアを利用してアウターロータ構造にすると,永久磁石の周長に比べてステータのティース幅が小さくなり,コイルピッチと磁石ピッチのバランスが悪くなる。一方インナーロータ構造のままで,ロータ径を大きくし,磁石の極数を多くすると第5次高調波を利用したステータモジュールの場合でもトルクが低下する傾向が得られた。そこで,アウターロータ構造には等方性電磁鋼板の積鉄心を用いて,第5次高調波を多く発生できるモジュール巻線構造を考案して検討することにした。 永久磁石を用いた磁場中熱処理技術の開発については,令和5年度の基礎実験において,開磁路型磁化器では不十分であり,また試料サイズが10mm×50mmでは生材の磁気特性のバラツキが大きく,定量的な検討ができなかったことから,閉磁路型磁化器を設計・製作し,かつ試料サイズを20mm×100mmに大きくすることで,生材の磁気特性のバラツキを少なくし,定量的な検討ができるように,20mm幅の簡易単板磁気試験器を製作して,Hコイル法ならびに空隙補償コイルを装着して磁気特性の測定精度を改善することにした。 組立・加工時に劣化した磁気特性を改善するためには,加工後に熱処理を行う必要があるため,リングコアで鉄心を模擬し,低周波誘導加熱を用いた熱処理法を検討している。低周波誘導加熱用ホルダーを用いて加熱レートが制御可能であることを明らかにした(「低周波誘導加熱用ホルダーによる加熱レートの検討」,日本AEM学会誌,Vol.32, No.1 pp.70-76, 2024 March)。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,方向性電磁鋼板を用いたステータモジュール型バーニアモータの高トルク化を実現できるアウターロータ型の最適構造を電磁界解析により明らかにする。アウターロータ型では巻鉄心構造の適用が困難なため,積鉄心を採用する。解析モデルでは,巻線方式の検討を最初に行い,第5次高調波を利用したステータモジュールが有効であることを検証する。 永久磁石を用いた磁場中熱処理技術の開発に関しては,現在,漏れ磁束のため磁石からの磁束を有効に使えていないので,埋込磁石型などの永久磁石を用いた磁化器の構造について検討を行う。また,SmCo永久磁石を繰返し熱処理に使用した場合の減磁特性を明らかにする。さらに,研究分担者が固定子成形方法について検討を加え,最適構造設計したモータの基本部位の試作に取り掛かる。 加工・製造技術の構築に関しては,リングコアで鉄心を模擬し,低周波誘導加熱を用いた熱処理法について検討を進め,加熱レートと磁気特性の関係を結晶粒径測定と関連づけて明らかにする。加熱レートについては,消費電力を出来るだけ抑え,鉄心を均一に加熱できるようにし,磁気特性の改善率を高めるのに適した熱処理条件を明らかにする。 得られた研究成果は順次国内学会等で報告する。また,当初形状測定のために3Dスキャナーを導入予定であったが,公設試の非接触3次元デジタイジングシステムを使用することにした。令和7年度は,課題となっている効率と力率を向上させた高トルクのバーニアモータの開発を行い,得られた結果をとりまとめ,研究成果の発表を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)