電波資源を持続可能とするための不要電磁波の集積効果予測モデルの構築
Project/Area Number |
23K03808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
呉 奕鋒 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 主任研究員 (70398569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 薫 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, グループリーダー (50507978)
塩田 貞明 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 主任研究技術員 (00500373)
松本 泰 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 研究員 (20312598)
渡邊 航 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 研究員 (70982700)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 不要電波 / 5Gシステム / 電磁干渉 / 通信障害 / 不要電磁波 / 伝搬メカニズム / 集積モデル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、不要電磁波の波源による放射機構や放射特性を、複数波源の隣接設置による相互影響も含めて理論・実測により明らかにし(ミクロな集積モデル)、その結果を用いて、近郊住宅環境などを想定して数10万個程度の波源が分布する状況における電磁環境の劣化量を、無線通信環境における背景雑音の増加量として統計的な手法を用いて明らかにする(マクロな集積モデル)。さらに電磁環境劣化により生ずる無線通信インフラへの影響を、受信SN比の劣化や通信容量への影響などの簡潔な定量的指標で表現することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、急激な膨張を続けるサイバー空間の発展に不可欠であるなか、持続可能な電磁環境の構築を目指し、個々の(ミクロな)不要電磁波の放射の集合が、巨視的(マクロな)規模でどのような集積効果や電磁環境劣化を及ぼすかを予測できるモデルの構築を目的としたものである。具体的には次の2課題について取り組んでいる。課題① 個々の電子電気機器から生じる不要電磁波の発生伝搬メカニズムの解明 ②巨視的な不要電磁波のレベルを表現できる数理モデルの構築と、それによる電磁環境の予測。
令和5年度には、課題①について、電波反射箱を用いて複数のLED電球を同一電源線に接続した場合の不要電波の発生伝搬メカニズムを検討した。同一のLED電球であっても、電源線上の設置位置によって、不要電波の全放射電力のスペクトルが変化することを明らかにした。また、不要電波の全放射電力のスペクトルは、LED電球の数が増加しても線形に増加しないことを確認した。これは、電源線上での反射と透過ポイントの増加により、不要電磁波の電流が電源線内で共振し、不要電磁波の電流分布が複雑化したためと考えられる。
また課題②については、個々の不要電磁波源の放射指向性、周波数特性や建物による減衰を統計分布として考慮し、多数の不要電波源がランダムに一様分布するシナリオにおける不要電波の集積効果について、基本的な数理モデルを構築した。このモデルでは受信点周囲の任意距離範囲内に存在する数万個以上におよぶ多数波源による合成不要電波強度の確率分布を良い近似で数式表現できる。また、モンテカルロシミュレーションを実施し上記数式表現の妥当性を検証した。また、本モデルによって不要電波強度の分布に対して、波源の面密度、不要電波の伝搬特性、不要波の放射指向性や稼働率などが及ぼす影響の基本的な知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題① 電波反射箱を用いて、複数のLED照明からの不要電波が混在する場合における不要電波の全放射電力の測定ができた。また、複数のLED照明からの不要電波のスペクトルを異なる周波数帯域にわたって積分し、不要電波の帯域電力を評価できる見込みがあるため、計画通りの順調な進捗と言える。
課題② 多数(数万個)の不要電波源がkmオーダーのランダムに一様分布する、基本的であるが汎用性の高いシナリオにおける不要電波の集積効果について、基本的な数理モデルが構築できた。またモンテカルロシミュレーションによりその妥当性が検証できたことから、計画通りの順調な進捗と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
課題① 令和5年度には、複数のLED照明からの不要電波が混在する場合における不要電波の全放射電力の測定ができた。次年度では、干渉の影響を受けやすい無線システムの帯域幅に含まれる不要電波の全放射電力を推定するため、異なる周波数帯域にわたる不要電波の帯域電力を評価する。不要電波の全放射電力のスペクトルをさまざまな周波数範囲にわたって積分し、不要電波の全放射電力の帯域電力の変動をLED電球の数と比較する。特定の周波数範囲での積分により、不要電波の全放射電力の帯域電力がLED電球の数とともに直線的に増加するかどうかについて検討する。
課題② 令和5年度に、多数波源による不要電波の集積強度の確率分布モデルが構築できたことから、まず、不要電波源の密度や伝搬特性などの基本的な特性が合計不要電波強度の確率分布に与える影響を明らかにする。また、いくつかの周波数において報告されている不要電波強度のフィールド実測結果の文献を用い、構築したモデルから予測される傾向との比較を試みる。 さらに従来の不要電波の規制基準になっているローカルな干渉シナリオ(例えば無線受信機からの最も近い波源、あるいは最強の波源のみを想定)における不要電波強度との差を比較検討する。この比較によって、広範囲に存在する多数の波源による不要波集積効果の考慮によって、現行の不要電波制限に対してどのくらいの補正が必要であるかが明らかとなる。上記のような知見を、必要に応じて不要電磁波の限度値を定める国際標準化会議などに提出することにより、将来の世界的規模における電磁環境劣化の防止に有効に寄与できると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)