Project/Area Number |
23K03810
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
金本 俊幾 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (30782750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 日出樹 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (90344613)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | パワーデバイス / 半導体 / 設計技術 / 人工知能 / 最適化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、対象を電力変換向けパワートランジスタ、とくにMOSとBJTの要素を同時に有するSi基板上のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等とする。デバイス寸法やキャリア濃度などの構造パラメータに対する電気特性の振る舞いを明らかにし、所望の電気特性を実現する構造パラメータの決定手法を確立する。AI(Artificial Intelligence)に関するデータサイエンスの手法を駆使することにより、試作を重ねることなくデバイスの3次元構造を決定し、多様な要求に遅滞なく応えるデバイス構造設計技術を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
トレンチ型 SiC MOSFET に形成される垂直 RESURF(Reduced Surface Field)構造に対し、所望のI-V特性を実現する最適化方法を明らかにした。トレンチ型 SiC MOSFET は、車載用パワーモジュールにおいて最もエネルギー効率の高いデバイスのひとつである。エネルギー効率の観点から、より高い電圧で動作させるために RESURF 構造が導入されている。RESURF 構造に関して、最も重要な構造パラメータは、ドレインと結合するN-ドリフトドーピングを取り囲む P 型垂直 RESURF 領域の厚さ(以下RESURF厚)であり、この最適化を行うことで所望のI-V特性を実現した。まず、構造パラメータにばらつきをもたせ、統計的に有意なサンプル数のデバイス解析を実行し、その結果を基に、機械学習による重回帰分析を用いて出力特性とRESURF厚の関係を求めた。得られた回帰式を元に、シミュレーテッドアニーリングを用いて所望のI-V特性を満たすRESURF厚を探索した。数値実験による検証の結果、回帰式の予測精度として自由度調整済み寄与率0.999を達成し、目標とする精度が得られることを確認した。この研究成果は、国際会議1件にて公表した。 これまでの成果を一般化し、主成分分析により各電気特性の変化に対して支配的な構造パラメータを今後明らかにしていく。なお、本研究の最終目標である所望の電気特性を実現する構造パラメータの導出方法を先行して明らかにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の2023年度の研究実施計画では、基本構造および構造パラメータが既知のパワー半導体について、デバイス解析を用いて電流-電圧特性などの電気特性を求める。その際、構造パラメータにはばらつきをもたせ、統計的に有意なサンプル数のデバイス解析を実行し、主成分分析に供する。これにより、各電気特性の変化に対して支配的な構造パラメータを明らかにし、構造パラメータから電気特性を予測する回帰分析を行う。そして、機械学習を用いて構造パラメータから電気特性を予測する回帰分析を行い、電気特性の十分な予測精度(自由度調整済み決定係数0.95以上)を確保できていることを検証することを予定していた。それに対し、実際の進捗では現実のデバイスにおいて重要なRESURF 構造を対象とし、最も重要な構造パラメータRESURF厚に対し、計画に沿った手順で機械学習による重回帰分析を用いて出力特性とRESURF厚の関係を求め、目標とする予測精度を得た。今期目標としていた、主成分分析により各電気特性の変化に対して支配的な構造パラメータを明らかにすることは今後の展開となるが、逆に機械学習を用いて構造パラメータから電気特性を予測する回帰分析を行い、良好な結果を得る学習条件を明らかにすることと、本研究の最終目標である所望の電気特性を実現する構造パラメータの導出方法を明らかにすることを先行した。したがって、全体としておおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標である所望の電気特性を実現する構造パラメータの導出方法は先行して明らかにしており、今後はこれまでの成果を一般化し、主成分分析により各電気特性の変化に対して支配的な構造パラメータを明らかにしていく。並行して、トランジスタの静特性に加えて動特性を目標性能に設定し、多目的最適化による構造探索を進める。そのために、さらなる文献調査や実デバイスデータの取得を進めていく。具体的には、グラフェン成長用のSiC基板やSi基板上にSiC薄膜を成長させるための原料などを導入し、SiC基板やSiC薄膜のアニール処理によるグラフェンの成長を行う。その過程で高品質グラフェンを得るための作製プロセス条件の探索を行う。また、グラフェンの結晶品質の更なる向上を目的として、真空中だけでなく不活性ガス雰囲気中でアニール処理を行い、雰囲気ガスのグラフェンの結晶品質への効果を明らかにする。
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