再生可能エネルギーからの調整力提供による電力システムへの貢献の評価
Project/Area Number |
23K03816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
占部 千由 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80505991)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 出力変動 / 調整力 / 風力発電 / 太陽光発電 / 分散型電源 / 制御手法 / 電力システム |
Outline of Research at the Start |
将来、再生可能エネルギーが主力電源化したときに備えて、電力システム全体を安定に安全に運用できるように、風力発電・太陽光発電・蓄電池などの多種多様な分散型電源群を分散制御する手法を開発する。さらに、それらの分散型電源群から需給バランスを維持するために用いられる調整力を提供できる場合について、複数の電力需給エリアにおける効果的な提供手法に関しても広域需給シミュレーションを用いた検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
カーボンニュートラルに向けて再生可能エネルギー(再エネ)が大量導入された際には、電力の需要と供給のバランスを維持することが難しくなる。再エネの出力変動に対応して、発電を需要とバランスさせるために、発電出力を増減させる調整力を確保する必要がある。本課題では、再エネの出力変動を緩和し、必要となる調整力を減らすための変動緩和制御手法を構築し、かつ、再エネから調整力を提供する価値について評価を行うことを目的としている。特に再エネ出力の短周期変動(変動周期1分から数十分相当)に対応する二次調整力に着目している。2023年度は大きく3つの方向から検討を行った。 (a) 再エネ出力の短周期変動緩和制御:再エネの発電施設に具備されている機能を活用し、複数の風力発電あるいは太陽光発電(PV)設備に指令を送ることを想定した短周期変動緩和制御の提案を行い、風力発電については国際会議で、PVについては国内学会において発表を行った。 (b) PV出力の短周期変動解析:再エネの出力変動への対応に必要とされる調整力を推定するために、PV出力の短周期変動解析を行った。電力需給運用においては、前日時点でのPV出力予測に基づいて需給運用計画が立てられるため、前日のPV出力予測値と当日のPV出力変動の関係について分析し、国際会議において発表を行った。 (c)PVと水素製造の協調制御:再エネが大量導入された際には、余剰となる再エネ電力は水素製造に使われることが電力広域的運営推進機構(OCCTO)のマスタープランの3つのシナリオで検討されている。その場合、再エネ出力の短周期変動が減ずることが見込まれる。そのため、PV余剰電力を用いた水素製造について検討を行った。まず、単独PVと水素製造設備の協調制御について国際会議で発表を行った。さらに、複数PVと水素製造との協調制御について検討を行い、国内学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で目的としている再エネ出力の短周期変動の緩和制御手法については、研究実績の概要で述べた(a)と(b)の通り、風力発電とPVそれぞれの短周期変動緩和制御について検討を進めており、特に風力発電については一定の制御効果が認められている。 さらに、もう一つの目的としている広域連系された電力システムへの分散型電源からの二次調整力提供の評価に関しては、水素製造により必要とされる二次調整力の量自体が変化することにより、二次調整力提供のコストも変動するため、研究実績の概要の(c)の通りPVと水素製造の協調制御手法の基礎的なモデルは構築できた。 これらのことにより、初年度の進捗としてはおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)再エネ出力の短周期変動緩和制御:引き続きPV発電出力の短周期変動緩和制御手法の開発に取り組む。PV発電出力は風力発電と比較して地点数も多く地理的にも分散配置が可能なため、ならし効果によって短周期変動が小さくなる傾向がある。ならし効果を考慮して、さらに短周期変動を緩和するため制御手法を改善する。 (2)広域連系された電力システムへの分散型電源からの二次調整力提供の評価:水素製造に関する検討を引き続き行う。さらに、日本の10電力エリアにおいて、再エネが二次調整力を提供した場合の効果についても、さまざまな運用条件のもとで運用費と再エネ抑制量を指標として検討を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)