Signal Construction by Time-Frequency Channel Learning for Multi-Relay Communications
Project/Area Number |
23K03854
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21020:Communication and network engineering-related
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
井田 悠太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (20711229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸田 一輝 東京理科大学, 工学部電気工学科, 准教授 (30801170)
松元 隆博 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (10304495)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 多段階協調中継通信 / 時間-周波数チャネル学習 |
Outline of Research at the Start |
本研究は多段階協調中継通信の時間と周波数の通信路状態を学習したパケット分割伝送とインターリーブ割当による信号を構築し,これまでにない実用的なシステム創出を目的とする.近年の通信環境では,信号を高速,低遅延,かつ高品質で送受信できる多段階協調中継通信は必須であるが,これまでの方法は評価した通信路モデルが限定的であり,各通信路がそれぞれ独立しているため通信路環境の把握が不十分であった.本研究は様々な環境での通信路モデルを取得し,総合的に評価することで,通信路状態推定のためのパイロット信号,パケット分割伝送,インターリーブ割当,学習を用いた信号構築による通信品質の向上を示す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は多段階協調中継通信の時間領域と周波数領域の通信路状態を学習したパケット分割伝送とインターリーブ割当による信号を構築したシステムの創出が目的である.近年の通信システムには,信号を高速,低遅延,かつ高品質に送受信できる多段階協調中継通信は必須である.そこで,令和5年度の内容の1つとして,送信局と受信局以外に複数の中継局を使用する多段階協調中継通信のパケット分割伝送について研究を実施した.パケット分割伝送は,チャネルと呼ばれる通信路環境の状態を使用し,チャネル状態情報(Channel State Information; CSI)から取得できる.そして,チャネルは独立しているため,CSIはチャネル毎に異なる.それ故,協調通信の様な複数のチャネルが存在する環境では複数のCSIを利用でき,良いCSIを利用することで,通信品質を向上できる.この特性を利用し,パケット分割は異なるCSIに基づき送信信号のパケットを分割する大きさを決定し,各チャネルを経由して,受信局に到達する.この時,符号化とインターリーブの効果を引き出し,通信品質を向上させる.本研究は,従来のパケット分割伝送を多段階協調中継通信の環境に拡張し,従来法との性能を比較し評価した.また,パイロット信号についても研究を実施した.パイロット信号はCSIを推定するための参照信号であり,これまでに少ない信号数で高精度な推定を実現する複素TFI(Time Frequency Interferometry)が提案されており,時間窓平均を用いることで性能を向上できる.本研究は,将来的に高周波帯における多段階協調中継通信も想定しているが,高周波帯では局部発信器における位相雑音の問題が問題になる.そこで,複素TFIと時間窓平均を用いて位相雑音の補償を評価した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況は,研究実績の概要で記載した目的を実現するため,本研究の目的の1つである多段階協調中継通信におけるパケット分割伝送を評価した.パケット分割伝送は各チャネルのCSIを使用し,チャネル状態が一定の時間領域のCSIと経路重みを設けることで実現できる.そして,これまでに実現したパケット分割伝送を適応した協調通信は,送信局と受信局間の中継局を1度のみ経由する環境において評価し,通信品質の向上を示した.この方法を基に,本研究では中継局を2度以上ホップする多段階協調中継通信を構築した.多段階協調通信では中継局同士のチャネルが新たに追加される.そこで,パケット分割伝送では,中継局をホップするチャネルに新たな経路重みを設けることで,多段階協調中継通信に適したパケット分割を実現し,従来の協調通信のパケット分割と同等の性能を得た.また,パイロット信号を用いたCSIを推定には位相雑音の影響を付加した環境下で,複素TFIと時間窓平均の操作から位相雑音の影響を補償し,CSIの推定精度の劣化を抑えることができた.これらの研究成果は,令和6年度の電子情報通信学会の研究会,もしくは全国大会で発表予定であり,さらに査読付きの国際会議にも投稿を予定している.また,今後の研究において様々なチャネル環境を想定するために,電波伝搬解析ツールRapLabを購入し,任意の環境下での遅延プロファイル及びCSIを作成した.そして,RapLabを用いて作成したCSIに関連する研究成果を電子情報通信学会のコミュニケーションシステム研究会で発表した.他に,パケット分割に応用できる割当に関する研究について,査読付き国際会議IEEE GCCEで発表した.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに,送信局と受信局間の中継局を複数回経由する多段階協調通信を作成し,時間領域のCSIに基づくパケット分割伝送を実現した.そして,今後の研究の推進方策として,機械学習や周波数領域のCSI,インターリーブ等を適用し,パケット分割伝送の効果の向上を評価する.機械学習の適用は,これまでのパケット分割における各チャネルのCSIや中継局における中継誤差に関するデータセットを学習させることで,パケット分割伝送の柔軟な実現と性能の向上を評価する.次に,周波数領域のCSIについて,これまで基準とした時間領域のCSIは端末等の移動がなければ状態は一定であるため,簡素な実現が可能となる.一方で,周波数領域のCSIは周波数選択性による状態の変動が生じる.それ故,状態の悪い箇所を用いれば性能を劣化させるが,状態の良い箇所を用いれば性能の向上を期待できる.また,状態の悪い箇所の使用を避けるためにインターリーブを適用し,パケット分割伝送との親和性を検証し,性能の向上を評価する.加えて,RapLabで作成したCSIを使用し,建物の配置などの要件を考慮した評価も行う.
また,令和5年度に得られた研究成果を電子情報通信学会の研究会や全国大会等で発表する.加えて,米国電気電子学会(IEEE)主催の査読付き国際会議へ投稿する.さらに,研究成果が得られれば,IEEEや電子情報通信学会等の学術論文誌へ投稿する.
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)