Project/Area Number |
23K03860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21020:Communication and network engineering-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
白井 宏 中央大学, 理工学部, 教授 (00196594)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 電波伝搬 / 電磁波散乱 / 誘電体楔 / 高周波漸近解法 / 誘電体エッジ回折 / dielectric wedge / 解析的表現 / analytical expression |
Outline of Research at the Start |
本研究では誘電体楔状物体による高周波電磁波回折界の解析近似解を求める。精度のよい解析近似解が求められると、高層建築物で散乱された電波の解析精度が上がり、大都市空間での電波伝搬予測等の精度を改善させることができ、さらなる移動体通信システムの発展に寄与することができる。 導体で構成された楔状物体による電磁波回折界は既に解析的に解かれている。しかし媒質が誘電体に変わり、それに伴い境界条件が少し変わっただけで、解析できなくなるのかを調べ、あまりに数学的に厳密に定式化することにとらわれずに、実用的な応用に向けて使いやすい近似解を求める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では誘電体楔状物体による高周波電磁波回折界の解析近似解を求める。すでに有効な近似解析手法と考えている物理光学近似を使った解析を開始した。 物理光学(Physical Optics)近似とは、散乱体表面上に入射平面波によって誘起される等価電磁流を計算し、その電磁流からの放射積分として散乱界を求める方法である。この手法によって誘電体楔状物体によって生じる散乱界を計算し、厳密に解析できる導体楔の場合の結果と比較しながら、欠如している項を推定して精度の良い解析手法を構築する。 物理光学近似によるエッジ回折波は、導体表面上に誘起された電流を近似的に入射波のみから決定するので、この手法によると、照射を受けない導体表面にも流れるはずの誘起電流をゼロと近似するため、境界条件や端点条件を満足しないことが示された。既に解析されている導体楔による散乱界を計算し、厳密解による結果との詳細な比較・検討の結果により、境界条件を満たすには、照射されていない表面からの誘起電流に基づく項が必要であることがわかり、これらの項を組み込むことを検討している。 求めた解の妥当性や精度を検討するためは、参照となる別解法による結果等が必要であるが、比較できるものが見つからないので、数値解析手法による結果や実験による測定結果との比較を考え、準備を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的な解析解の導出は順調に進んでいるが、その解の精度を確認するための参照解を探しており、適当なものがないこともあり、現在数値解析手法により独自に解を求めることを検討している。 また電波暗室におけるスケールモデルによる実験を検討していたが、思いがけずに測定機の一部が年度末に故障した。その修理のため製品を米国に送って修理をする手配と修理にかかる修理費がかなりかかると予想して予算を凍結した。幸い修理費はほとんどかからなかったが、逆に使用予定の予算は使えなかったので、次年度へ繰り越し、受け取った修理品を使った実験も次年度から行う計画とした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き数値解法を用いた参照解の導出と電波暗室内でのスケールモデルによる実験を検討して、現在求めている近似解の妥当性のチェックを行う。既に数値解析手法による結果との比較により、導体の場合とは異なり、誘電体境界に沿って伝搬し、回折するラテラル(側)波が存在することがわかってきたので、それをどのように組み込むかを検討している。 さらに求めた近似解の精度がよいことがわかったら、その解を組み合わせて複雑な形状による散乱界の解析を行う。
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