Quantum measurement of RF sensor linearity based on Rabi frequency
Project/Area Number |
23K03892
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山本 真大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (20909874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 基 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (00415671)
東島 侑矢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (20805147)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 量子センシング / マイクロ波 / 高周波減衰量 / 二重共鳴分光 / ラビ周波数 / 量子計測 / セシウム原子 / ラビ減衰量 |
Outline of Research at the Start |
近年アルカリ原子気体と電磁波の相互作用に基づいて電磁波強度を測定する量子センサが開発され世界的に注目されている。その測定精度は既存センサに匹敵するレベルにまで向上しているが、将来的な標準の実現に向けてダイナミックレンジや線形性評価に課題があった。そこで本研究ではダイナミックレンジ拡張のため、原子共鳴に基づく高周波減衰量の量子計測を世界で初めて実現する。さらに国家標準減衰器を用いて電力線形性を精密に検証し、不確かさの改善と測定結果の信頼性・安定性の向上を目指す。合わせて、開発した電磁波センサの学術的・産業的な活用範囲の拡張のための包括的議論を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、量子現象に基づく次世代高周波電力・減衰量標準の開発という究極の目標を達成するために、原子と高周波の相互作用を利用した高周波減衰量の量子計測を実現し、それにより電磁波量子センサの線形性を精密に評価・検証することを目的としている。 今年度は第一段階として、セシウム原子のラビ周波数測定に基づく高周波減衰量の量子計測技術を初めて実証した。先行研究において研究分担者らが開発した実験系は高周波電力測定用であったが、本研究では改良を加え高周波強度を回転型減衰器で精密に制御できるようにした。実験ではWR-90導波管に挿入したガラスセル内のセシウム原子に9.2 GHzの高周波と852 nmのレーザーを同時に照射し、セシウム原子と高周波の相互作用をレーザーで光学的に読み出す二重共鳴分光を実施した。ラビ周波数測定には、高周波への位相変調印加によって原子のラビ周波数を効率的に取得できるアトミックキャンドル法を用いた。我々はラビ周波数の高周波磁界に対する比例関係と高周波減衰量の定義式を組み合わせて、「ラビ減衰量」と名付けた新たな指標を提案した。高周波回路中の減衰器設定を変える毎にラビ周波数を測定することで、その周波数比からラビ減衰量を算出した。その結果ラビ減衰量は35 dBの線形性を示し、高周波減衰量の量子計測を実証することができた。さらにラビ減衰量は二重共鳴スペクトルから直接得られる信号振幅や時定数といった物理量よりも良好な線形性を有することを確認した。 また、開発した電磁波量子センサの学術的・産業的な活用範囲を拡張することも本研究課題の対象である。ラビ減衰量の周波数範囲拡張に向けた検討と合わせて、今後益々利活用が進むミリ波帯における減衰量計測技術の予備検討も実施した。 今年度は本研究課題に関連して、国際誌への論文掲載2件、国際会議での発表1件、国内学会での発表2件の成果発表を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の実施目標は、本研究課題の第一段階として高周波減衰量の量子計測技術についてその実現可能性を調査することであった。具体的には、高周波減衰量の量子計測のための実験系を構築し、適切な実験条件を絞り込み、適切な測定指標の考案と比較検証を行うことを目標としていた。安定度の高いレーザーの確保等の困難はあったが、我々は高周波減衰量測定の新たな指標としてラビ減衰量を提案し、その利点を実証することができた。この成果について、論文や国際会議での成果発表を行った。これは今年度の目標を達成したと言える成果であり、「高周波減衰量の量子標準」の実現という新たな研究の方向性を提示することができた。以上を総合的に考慮して、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実現した高周波減衰量の量子計測法「ラビ減衰量」はまだ実証段階であるため、今後はその改善・活用範囲の拡張に取り掛かる。 第一に、ラビ減衰量を算出する元となる原子のラビ周波数測定において、各種実験条件の最適化を実施する。様々な最適化項目が考えられる中で、まずはラビ減衰量の線形性悪化に顕著に効くと考えられる離調の影響を精密に評価する。その他の測定条件の最適化も進め、ラビ減衰量の感度・ダイナミックレンジ・不確かさを改善する。以上を踏まえた上で、国家標準減衰器を用いてラビ周波数に基づく電磁波センサ線形性を精密に検証する。 第二に、ラビ減衰量の活用範囲を拡張する。ラビ減衰量の対応周波数範囲を拡張するために、ゼーマン効果の利用や他の量子系の活用を検討する。併せて、引き続きミリ波帯における減衰量計測技術の予備検討も実施する。 以上により、量子現象に基づく次世代高周波電力・減衰量標準の開発という究極の目標を達成するための研究を進める。また、次年度以降も研究成果の積極的な発表を継続する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)