Project/Area Number |
23K03981
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
荻原 昭文 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00342569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内田 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (40343660)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 液晶 / 調光 / 温度 / 調光デバイス / 太陽光 / 高分子 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は、太陽光中の長波長帯域中に含まれ、特に物質に吸収された時に熱に変換される割合の高い赤外領域(800nm~1400nm)の入射量を温度変化に応じて自律的に制御可能な調光デバイスの開発に関するものである。具体的には、分子の配向状態を規定できる液晶性モノマー材料を導入した高分子複合体材料開発とレーザ光照射プロセスの技術を融合させ、温度変化に伴い太陽光線の入射方向や波長帯域に適応してデバイス内部の屈折率分布を自律的に変化させ、光制御機能(透過、散乱、回折、反射の組み合わせ)を有効利用可能なデバイス作製を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の温度依存性を有する調光デバイスの作製のために、35℃付近に転移温度を有する液晶材料と等方性モノマーとを用いた材料設計を行った。これには、液晶材料の添加割合を20Wt.%~50Wt.%程度まで変化させた試料を用意し、この材料にレーザ干渉露光照射を行うことで作製した回折光学素子の回折効率と、材料への液晶添加割合との関係について調査した。この結果、液晶材料の添加割合により、回折効率は大きく変化し、40%程度の添加割合の時に80%以上の高い回折効率が得られることを確認することが出来た。この理由としては、液晶材料の添加割合が低い場合は、液晶とモノマーとの相分離において形成された格子間での屈折率差が小さいため、回折作用が十分発揮されていないなどの要因が影響することがわかった。 また、液晶材料の添加割合を大きくすることで回折光学素子の格子間の屈折率差が大きくなり、これに基づき回折効率も増加するが、この添加割合が大きくなりすぎると、散乱現象が大きくなり、回折効率が低下することも明らかとなった。このような実験を進めることで、デバイスの作製に必要な材料設計条件を明らかにすることが出来、高い回折効率を有する回折光学素子を作製することが可能となった。さらに、この実験条件に基づき異なる入射角度に対する回折作用を有するデバイス作製へと研究内容を進めていくことが可能となった。 レーザの入射角度としては、30°と60°方向から連続的に照射を行える光学システムを構築するため、2光束に分割するためのハーフミラーを自動回転ステージ上に設置し、参照光を切換えて異なる角度方向から照射するためにミラーを2つ設置した。これらをステージコントローラと組み合わせて動作させることで、デバイス作製を行えるシステムとした
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究テーマの初年度においては、当初計画していたように調光デバイス作製のための液晶とモノマー材料との混合割合等を含む材料設計を行った。これらの材料を用いたデバイス作製実験を行うことで、デバイスの回折効率を大きくするための材料とレーザ照射条件に関する知見を得ることが出来た。これらの知見に基づき、液晶とモノマー材料からなる有機複合体材料を準備することができ、今後の調光デバイスの作製への目処が得られ、異なる入射角度に対してレーザ露光を行うための光学システムの作製へと研究段階を円滑に進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の次年度においては、調光デバイスを作製するために設計した材料を用いたデバイス作製を進め、異なる角度方向からもレーザ露光照射を可能とする光学システムを構築していく計画である。そして、太陽光の入射角度の違いに応じて光の制御機能を制御できるようなデバイスの作製条件の検討や、作製したデバイスの温度と光学特性との関係についての評価・解析を通じてデバイスの調光機能について詳しく調べていく計画である。
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