Project/Area Number |
23K03994
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
|
Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
迫井 裕樹 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (30453294)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | コンクリート / スケーリング / 拘束供試体 / 凍結膨張圧 / 耐久性 |
Outline of Research at the Start |
コンクリートのスケーリング劣化を対象として,そのメカニズムの解明および新たなスケーリング抵抗性評価手法を提案するものである。外部拘束されたコンクリートの凍結融解作用に伴う膨張圧を薄肉円筒理論によって測定・評価するための手法を検討する。その後,内的/外的要因が硬化体内部において生じる膨張圧に及ぼす影響およびそれら要因が内部損傷に及ぼす影響を明らかにし,新たなスケーリング危険度評価手法を提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
寒冷地におけるコンクリート構造物は,凍結融解作用による凍害劣化を受けやすい環境下にある。また,融雪剤等に起因する塩化物イオンとの複合作用により,表層コンクリートのスケーリング劣化を生じる。本検討課題では,コンクリートの凍結融解作用に伴い硬化体内部で生じる凍結圧力を直接的に測定・評価し,その分布・経時変化からスケーリング劣化メカニズムを検討するとともに,凍結圧力(とその分布)と実際に生じたスケーリング劣化との関連を検討することにより,コンクリートのスケーリング劣化危険度評価を提案することを目的としている。 2023年度は,鋼管により周囲を拘束された供試体(以下,拘束供試体)を用いて,凍結融解作用に伴い硬化体内部で生じる凍結圧の測定・評価について検討を行った。その結果,凍結過程において,凍結応力が著しく増加するが,温度降下とともに減少すること,しかし,凍結状態を継続することにより,時間とともに拘束応力が徐々に増加することを示した。また,これら両者ともに,凍結融解サイクルの増加とともに増加することを明らかとした。 さらに,硬化体内部での凍結膨張圧の分布は,凍結過程と凍結を継続した場合で異なることを明らかとした。これは,凍結を継続することにより,硬化体内部での未凍結水の移動に伴うアイスレンズの形成によるものと推察され,スケーリング劣化深さを評価・推定するための一指標となり得ることを示唆するものであると考えられる。ただし,ここで測定・評価される凍結膨張圧は,スケーリング劣化のように面外方向に破壊を生じさせるほどの大きな膨張圧ではないと推定される。一方で,本検討の一連の測定において,凍結時に氷晶生成が面外方向(軸方向)に卓越することが確認されており,これに伴い生じる軸方向の凍結膨張圧がコンクリートのスケーリング劣化を生じさせる一因となり得ることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度,本検討課題初年度に検討予定であった,拘束供試体を用いた凍結融解作用に伴う凍結膨張圧の測定方法について検討を行った。その結果,凍結融解過程において硬化体内部で生じる凍結膨張圧の変化を把握するとともに,凍結過程とその後の凍結状態継続期間において,硬化体内部の凍結膨張圧分布が変化することおよび,凍結融解サイクルに伴うこれら膨張圧の経時変化を明らかとした。また,実験を通じて,凍結過程において供試体内部で面外方向(軸方向)に生じる凍結応力が卓越する可能性を示し,これがコンクリートのスケーリング劣化に影響を及ぼす可能性を示した。 本検討課題実施にあたり,当初計画の内容を実施・検討しており,また次年度計画の基礎データとしての結果も得られている。2023年度の結果を基に,2024年度,当初計画内容に一部追加を行い,検討を進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,当初計画に従い,材料・配合が凍結融解作用に伴う凍結膨張圧に及ぼす影響として,セメント種,水セメント比,試験溶液を実験要因として,検討を行う予定である。また,前述のように,初年度の検討において,面外方向(軸方向)への氷晶成長が卓越し,これがスケーリング劣化に影響及ぼすことが示唆されているため,当初計画の検討に加えて,軸方向に生じる凍結膨張圧についても併せて検討を行う予定である。さらに,スケーリング劣化危険度評価手法の提案に向け,凍結融解作用により実際に生じるスケーリング劣化(スケーリング量・スケーリング深さ)と,測定される凍結膨張圧およびその分布との関係を整理・検討し,データの蓄積・検討を進める予定である。
|