Project/Area Number |
23K03998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | Hazama Ando Corporation |
Principal Investigator |
福留 和人 株式会社安藤・間(技術研究所), 脱炭素技術開発部, 担当部長 (60517548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 康隆 株式会社安藤・間(技術研究所), 構造・材料研究部, 副主任研究員 (30796123)
林 俊斉 株式会社安藤・間(技術研究所), 構造・材料研究部, 主任研究員 (50934288)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 養生 / 養生計画 / 生産性 / 低炭素セメント / 水和解析 / 設計材齢 / 圧縮強度 / 物質移動抵抗性 / 低炭素 |
Outline of Research at the Start |
カーボンニュートラルに向けて低炭素型セメントの利用拡大が急務である。一方、コンクリート工の生産性向上は重要な課題であり、養生計画立案にあたっては生産性向上との両立を考慮する必要がある。特に低炭素型セメントは初期強度発現性の低下により養生期間の延長が懸念され、利用拡大には生産性向上との両立が重要な課題となる。 以上の背景から、養生条件が低炭素型セメントを用いたコンクリートの性能への影響を把握し、養生計画立案手法の低炭素型セメントへの適用を検討する。さらに、生産性との両立を考慮した養生計画立案手法を検討し、低炭素化と生産性向上との両立を考慮した養生計画立案手法の開発および社会実装を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが提案している養生計画立案手法は、構造物中のセメントの水和率を解析的に予測し、所要の性能を確保するために達成すべき目標水和率に達するように必要養生期間を算定するものであり、従来にない独創的で合理的な養生計画立案手法である。本研究では、提案する手法を発展させ、低炭素化と生産性向上との両立を考慮した養生計画立案手法の開発することを目的に検討課題に取組む。本年度の検討概要を以下に示す。 (1)養生条件が低炭素型セメントを用いたコンクリートの性能への影響把握:低炭素型セメントに関する調査結果から高炉スラグ高混合型、高炉スラグ-フライアッシュ混合型を選定し、湿潤養生条件が圧縮強度発現および物質移動抵抗性に及ぼす影響を把握した。さらに、水和解析によって得られた水和率と圧縮強度および物質移動抵抗性との関連性を評価し、低炭素型セメントを用いた場合においても水和解析による養生効果の評価の妥当性を検証した。 (2)養生計画立案手法の低炭素型セメントへの適用性の拡大:セメントの水和解析に基づく養生計画立案手法に基づいて、各種混合材を広範な混合率で混合した低炭素型セメントを使用した場合の必要養生期間の算定を行った。算定結果から、各種混合材を任意の混合率で混合した低炭素型セメントを用いた場合でも必要養生期間の算定が可能であることを検証した。 (3) 生産性向上との両立を考慮した養生計画立案手法の検討:提案する養生計画立案手法を応用することで、生産性と性能確保の両立を考慮した養生計画立案手法を検討した。検討結果から、設計材齢の補正により生産性と性能確保の両立が可能であることを検証するとともに、設計材齢、圧縮強度および物質移動抵抗性の算定式から配合を補正する方法を検討した。さらに、算定事例により、生産性と性能確保を合理的に両立できることを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討概要および成果を以下に示す。当初計画通りの成果が得られており、おおむね順調に進展していると判断している。 (1)養生条件が低炭素型セメントを用いたコンクリートの性能への影響把握:文献調査の結果選定した高炉スラグ高混合型(高炉セメントC種)、高炉スラグ-フライアッシュ混合型(高炉セメントB種にフライアッシュ混合)を用いたコンクリートの圧縮強度発現および物質移動抵抗性への湿潤養生条件の影響を把握した。さらに、水和解析によって得られた水和率と圧縮強度および物質移動抵抗性には良好な相関関係があり、低炭素型セメントを用いた場合においても水和解析による養生効果の評価の妥当性が確認された。得られた成果は、コンクリート構造物の補修、補強、アップグレードシンポジウムにて発表した。 (2)養生計画立案手法の低炭素型セメントへの適用性の拡大:セメントの水和解析に基づく養生計画立案手法に基づいて、低炭素型セメントを使用した場合の必要養生期間の算定を行った。その結果、各種混合材を任意の混合率で混合した低炭素型セメントを用いた場合においても、必要養生期間を適切に算定可能であることを確認した。 (3) 生産性向上との両立を考慮した養生計画立案手法の検討:提案する養生計画立案手法を応用することで、生産性と性能確保の両立を考慮した養生計画立案手法を検討した。その結果、設計材齢の補正により生産性と性能確保の両立が可能であることを示し、設計材齢、圧縮強度および物質移動抵抗性の算定式から配合を補正する方法を提案した。さらに、算定事例により、生産性と性能確保を合理的に両立できることを示した。得られた成果は、コンクリート工学年次大会にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当初計画通り、以下の検討課題に取り組む予定である。 (1) 養生条件が低炭素型セメントを用いたコンクリートの性能への影響把握:高炉スラグ高混合型、高炉スラグ-フライアッシュ混合型以外の低炭素型コンクリートとして、ポルトランドセメントを使用しないアルカリ活性材料も検討対象に加え、湿潤養生条件が圧縮強度発現および物質移動抵抗性への影響を把握する。 (2)養生計画立案手法の低炭素型セメントへの適用性の拡大:セメントの水和解析に基づく養生計画立案手法に基づいて、さらに広範な条件で低炭素型セメントを使用した場合の必要養生期間の算定を行い、低炭素型セメントを用いた場合においても必要養生期間を適切に算定できることを確認する。 (3) 生産性向上との両立を考慮した養生計画立案手法の検討:昨年度の検討結果から、設計材齢の補正により生産性と性能確保の両立が可能であることが示され、さらに、設計材齢、圧縮強度および物質移動抵抗性の算定式から配合を補正する方法を示した。本年度は、(1)の結果から低炭素型セメントを用いた場合の圧縮強度および物質移動抵抗性の算定式を整備するとともに、(2)の結果から低炭素型セメント使用時の必要養生期間の算定式を整備し、予測精度の向上を図る。
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