道路橋長寿命化のための振動特性に基づく部材の損傷同定に対する機械学習の適用
Project/Area Number |
23K04005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小山 茂 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (30271886)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 部材の損傷同定 / 機械学習 / ニューラルネットワーク / 振動特性 / 損傷同定 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,部材に発生する損傷位置の内部・外部を問わずその検出を可能とする手法を提案する. 部材の損傷による物性等の変化が原因で生じる,健全時とは異なった構造物の振動特性に着目する.これは数学的取り扱いが難しい逆問題の一種となるが,その解法に機械学習を適用する. 本研究では,1)固有振動数と固有振動モードに着目した4種類の学習器の性能評価,2)固有振動モードの対称性・構造物の境界条件に着目した適用可能範囲の明確化,3)実構造物へ適用の検討の3項目を実行する. 構造物全体の応答と局所的な部材の損傷を関連させるこの考え方は,将来的に橋全体としての限界状態が評価できる設計法の確立へ繋がると期待できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,橋の構造部材に発生する損傷位置の内部・外部を問わずその検出を可能とする手法の提案であり,損傷前後の橋の振動特性の変化に基づく部材の損傷同定方法に機械学習の一つであるニューラルネットワークを適用した. 2023年度は,11節点19部材から構成される,単純支持された2次元ワーレントラス構造を対象に損傷同定を試みた.ニューラルネットワークの入力である特徴量として,1次から3次までおよび1次から6次までの固有振動数と固有振動モードを用いた.ニューラルネットワークの出力である部材の損傷レベルを健全な状態・軽微な損傷・致命的ではない損傷の3段階に設定し,損傷部材が一つだけである全42通りと二つ存在する全182通りの合計224の損傷のパターンに対して損傷同定を行い,全ての部材の損傷レベルを正しく同定できた場合のみ正解として性能評価を行った. その結果,損傷部材が一つの場合は100%に近い精度で損傷の同定が可能であることを示したが,特徴量として低次モードを利用したときは境界付近の上弦材が損傷しているケースのみ見逃してしまう結果となった.これは,損傷の有無にかかわらず低次の固有振動数と固有振動モードがほぼ同一となってしまうことが原因であり,構造解析の結果より判断した.また,損傷部材が複数の場合は,高次モードを利用した場合は9割,低次モードのみの利用の場合は7割程度の精度となっており,低次モード利用時の精度の改善が今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗はおおむね計画通りである.申請した構造解析ソフトウェアにより数多くの損傷パターンに対して解析を行い,低次から高次までの固有振動数と固有振動モードを容易に取得することが可能となった.また,解析結果から損傷を見逃してしまう原因について検討することができた.同じく申請したWindowsシステムを用いて,低次モードから高次モードまでの学習用および検証用データの作成を行い,それらを基にニューラルネットワークの構築をこれまでと比較して高速に行うことが可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
1.固有振動数・固有振動モード以外の特徴量を組み合わせたニューラルネットワークを構築し,特に低次モード利用時の精度の改善を図る.また,特徴量の種類の違いがニューラルネットワークの性能へ及ぼす影響を明らかにする. 2.これまでの研究から,損傷が発生すると構造が左右対称であっても1次モードが対称にならない場合があることが分かっている.そこで,対称な固有振動モードと反対称な固有振動モードの混在率と正答率との関係を定量化する.また,2023年度の結果より,単純支持の境界付近に損傷がある場合精度の低下が見られたことから,様々境界条件に対して解析を行い,各境界条件に適したニューラルネットワークを明確にする. 3.本解析を3次元構造へと拡張し,実験で得られた固有振動数と固有振動モードをニューラルネットワークの入力として部材の損傷同定を試み,提案した手法の妥当性について検証する.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)