Project/Area Number |
23K04050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
竹村 吉晴 中央大学, 研究開発機構, 機構准教授 (90634684)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 河口砂州 / 河口テラス / 非静水圧準三次元 / 河口 / 流れと波の相互作用 |
Outline of Research at the Start |
河口域では,洪水流と波浪の非線形かつ三次元的な相互作用が生じるため,従来の線形波理論に基づく相互作用の取り扱いでは現象を十分に説明できない可能性がある.本研究では,洪水流と波浪を一体的に計算することの出来る非静水圧準三次元解析法を構築し,既往実験等を対象にその妥当性について検証し,解析法の改良と適用限界等を明らかにする.そして,本解析法を洪水と高波浪が同時発生した阿賀野川令和元年洪水の再現計算に適用し,海域での地形変化等の再現性について,実測および従来の線形波理論に基づく方法と比較検討する.さらに,河口域の土砂動態解明に向けて本解析法をどのように応用出来るか提示する.
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Outline of Annual Research Achievements |
河口域では,洪水流と波浪の非線形かつ三次元的な相互作用が生じるため,従来の線形波理論に基づく相互作用の取り扱い方法では現象を十分に説明できない可能性がある.本研究では,申請者の開発した非静水圧準三次元解析法(Q3D-FEBS)を波浪変形や砕波帯の流れを説明できるように修正し,洪水流と波浪の一体的な解析を可能にする.そして,修正したQ3D-FEBSと非平衡流砂モデルを組み合わせることで,洪水と高波浪が同時発生した阿賀野川令和元年洪水の再現計算を実施し,本解析法により河口部の水面形や局所洗掘,海域での地形変化がどの程度説明可能か,実測値および従来の線形波理論に基づく方法の解析結果と比較検討する.さらに,河口域の土砂動態解明に向けて本解析法をどのように応用出来るか提示することを目的とする. 令和5年度は,波動運動に伴う圧力変化を考慮してQ3D-FEBSの基礎方程式系を再定式化するとともに,Coxら(1995)が一様勾配斜面(1/35)で行った砕波実験の砕波波形データ・流速鉛直分布データを対象に,修正Q3D-FEBSにより波浪変形と砕波の発生,砕波帯の戻り流れ等をどの程度説明できるか検証した.波浪の浅水変形については,高精度に追跡できることを確認したが,水深積分モデルでの砕波の取り扱いについては課題を残すことになり,この点については来年度以降も継続して検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画通り,波動運動に伴う圧力変化を考慮してQ3D-FEBSの基礎方程式系を再定式化し,プログラムコードの作成も完了した.そして,Coxら(1995)が一様勾配斜面(1/35)で行った砕波実験の砕波波形データ・流速鉛直分布データを対象に,修正Q3D-FEBSにより波浪変形と砕波の発生,砕波帯の戻り流れ等をどの程度説明できるか検証した.周期波が斜面部に近づき水深が浅くなることで,波形が先鋭化する機構について説明でき,砕波点の波高等も概ね説明できることを確認した.一方,当初は特別な対処を行わなくとも,砕波現象を解析可能と想定していたが砕波点より岸側の波形等を十分に説明できないことが分かってきた.この理由として, 水深積分モデルでは二価の水面形を考慮出来ないこと,本モデルで仮定している非静水圧の鉛直分布形(放物線)が浅水域では不十分な可能性が挙げられる.これらの解決策について検討を行っていたため,研究の進捗がやや遅れていいる.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の理由から,砕波の取り扱いがモデル開発の課題となっている.既往研究による砕波指標等を適用すると砕波点の特定等は行える見込みがあり,砕波点では本質を失わない程度に現象をモデル化して砕波の影響を取り込んでいくことを予定している. 令和6年度は,Coxら(1995)の実験による開発モデルの検証が完了次第,申請者の開発した非平衡流砂モデル,浮遊砂の三次元移流拡散方程式を組み合わせることで,洪水流と波浪の非静水圧準三次元解析による河口域の地形変化の解析法の構築を行う.そして,Wangら(2002)の移動床実験に適用し,その適用性について検討を進めて行く予定である.これと同時に,阿賀野川河口部における令和元年10月から令和2年7月までの洪水流と波浪により河口域の地形変化過程について,エネルギー平衡モデルとQ3D-FEBSを組み合わせた手法によりどの程度追跡可能か検討する.
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