Study on the Consensus Building Process for Building Sustainable Public Transportation Systems in Local Cities
Project/Area Number |
23K04060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22050:Civil engineering plan and transportation engineering-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
榊原 弘之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90304493)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 公共交通 / 地方都市 / 協力ゲーム / 協調関係 / 独占禁止法特例法 / 合意形成 / 制度設計 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,以下の2つのアプローチで,地方都市圏における公共交通政策に関する合意 形成を促進する制度設計について提案を行う. ・地方都市圏の統合的な運行支援のための制度設計の提案:複数の事業者,自治体が存在する地方都市圏において,運賃収入や自治体からの補助金をプールし,各事業者に分配するようなプラットフォームを想定する.このとき,事業者間の運行単価の違いや便別の利用状況,自治体間の移動実態を反映し,合意可能な運賃収入・補助金の配分制度を提案する. ・議論の場形成支援を目的としたテキスト分析:テキストマイニング手法を活用して,「合意形成が困難だが重要なテーマ」を議論するために必要な環境を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,複数の公共交通事業者間の協調関係形成の促進メカニズムについて,以下の3項目を実施した. 1.利用者行動の分析に基づいた運賃プールの必要性検討 共同運行時の個別事業者間の利用者数の不均衡を示す目的で,de Palma and Lindseyに基づき,バス利用者が離散的なダイヤの下で利用する便を選択するモデルを示した.このモデルに基づいてウェブアンケートを実施し,等間隔パターンダイヤ下で利用する便の選択を求め,便選択を決定するパラメータの分布を推定した.得られたパラメータ分布に基づいて高校生の通学輸送における便選択をシミュレーションした結果,運行間隔を大きくすると,便選択比率の標準偏差が増加し,便別利用者数の不均衡が生じることが示された.個々の事業者は,自らの収益を最重要視する点を考慮すると,利用者が相対的に多い時間帯に便を設定すると考えられる.また等間隔ダイヤから1便の発車時刻を変更することで,乗客を多く獲得できる場合があることも示した. 2.共同経営計画の実例ヒアリング調査 四国旅客鉄道株式会社に,「徳島県南部における共同経営計画」に関するヒアリング調査を実施した.同ケースでは鉄道事業者からバス事業者への一方向負担による配分ルールを導入している. 3.実例を踏まえた共同経営促進メカニズムの検討 実行可能性を考慮しつつ,公平性を担保する枠組みを検討するために,協力ゲーム理論の解概念であるシャプレイ値に基づいた利得・費用の配分ルールに関する考察を行った.その結果,共同経営が社会的に有効であれば,各事業者の利得が等分に増加し,共同経営に対する参加のインセンティブを担保可能であることを確認した.ヒアリング結果を踏まえた再検討後の利得配分ルールは,費用構造に関する情報を必要とせず,個々の事業者の運賃収入の変化を配分基準とすることで,より現実的な配分ルールとなっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本基盤研究初年度において,以下の3項目を達成できたため (1)共同運行において事業者間で収入の不均衡が生じ得るメカニズムをシミュレーションで明らかにした. (2)実際に鉄道事業者とバス事業者の間で共同経営が実現している徳島県のケースについてヒアリング調査を実施し,運用の実態を知ることができた. (3)ヒアリング結果も踏まえ,事業者が最小限の情報を共有することで運賃収入を配分できるようなルールについて一定の知見を獲得できた.
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Strategy for Future Research Activity |
本基盤研究では以下の2点を実施するとしている. 1.複数事業者及び複数自治体が存在する条件下での当事者が合意可能な運賃収入・補助金の配分制度の提案 2.鉄道のローカル線の存廃や共同運行を巡る議論について議論の議事録を入手,テキスト分析を実施し,合意の要因分析を行う. 1.については「複数事業者」間の運賃収入配分の枠組みは初年度に提案している.今後は「複数自治体」が路線維持のための補助を実施する際の補助額分担のルールについても検討を行う. 2.については公開されている議事録等を入手し,テキスト分析を実施する.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)