Project/Area Number |
23K04075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22050:Civil engineering plan and transportation engineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 潔司 京都大学, 経営管理研究部, 共同研究講座教員 (50115846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 正光 京都大学, 工学研究科, 教授 (10402968)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | リレーショナルガバナンス / 複合的プラットフォーム / 制度設計 / 効果測定 / シェアリングエコノミー |
Outline of Research at the Start |
シェア経済の発展に伴いUber,Grabなどのプラットフォームが形成され、組織をまたがったプラットフォームが互いに連携するプラットフォームのプラットフォームが着目されるようになった。このような複合的プラットフォームでは、インテグレーションによる全体最適化ではなく、自律的な複数のプラットフォームによるコーディネーションが重要視される。本研究ではコーディネーションメカニズムとして、1)プラットフォームの自律的ガバナンスの強化、2)プラットフォーム間の長期的関係性に基づくリレーショナルガバナンスに着目する。そのうで、複合的プラットフォームを形成するための政策課題の発見、効率性評価の方法論を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
シェア経済の発展に伴って、Uber, GrabなどのプラットフォームビジネスやMaaS等の交通プラットフォームが形成されるようになった。最近では、デジタルトランスフォーメーションやカーボンニュートラルシステムのように、組織をまたがったプラットフォームの形成が重要視されるようになった。わが国では、Google, Amazonのように単一の巨大なプラットフォーマが形成されるのではなく、さまざまなプラットフォームが互いに連携するプラットフォームのプラットフォーム(platform of platform)の組成が着目されるようになった。このような複合型プラットフォームでは、インテグレーションによる全体最適化よりも、自律的な複数のプラットフォームによるコーディネーションが重要視される。 プラットフォームの合理的マネジメントを図るためには、組織目的に合致したアウトカムとアウトプット、インプットの関係を明示化したロジックモデルが有用である。複合的プラットフォームにおいては、個別プラットフォームのアウトカムの総合化を図る必要がある。とりわけ「情報の壁」すなわちのプラットフォーム間で情報そのものが流れないために総合化の潜在的可能性や必要性さえ認識されないという問題を克服する必要がある。2023年度は、プラットフォームのプラットフォームという新たな主体概念によって「情報の壁」の存在そのものを自発的に市場価値に転換していく仕組みを形成できることを示した。すなわち「情報の壁」の存在は問題ではなく、むしろ、その問題を克服することによって新たな社会的価値を生み出すことができる潜在的機会として位置づけることができること、またそのためには異なるプラットフォームの間で使用されている言語的差異を理解する能力が求められることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、研究計画における課題1「複合的プラットフォームにおけるガバナンス構造の問題」に取り組むことになっていた。とりわけ複数のプラットフォームの間の総合化を図るためには、プラットフォームの間での情報の壁を克服し、情報の流通を促進する必要がある。そのため、プラットフォームの間での情報の壁が生じるメカニズムを明らかにした上で、その問題を克服するための方策について検討を進める計画になっていた。2023年度は、研究代表者が理事長を務めるJAAM(日本アセットマネジメント協会)において実施されているタウンアセットマネジメント(TAM: Town Asset Management)の取り組みを通じて実践的研究を行ってきた。都市や地域には、有形・無形のさまざまなアセット(資産)がある。道路や橋などのインフラ、公共施設や観光資源などは有形のアセットである。一方、地域の歴史、文化、地域ブランドなどは無形のアセットと考えることができる。TAMとは、地域のアセットを効果的に活用し、その維持管理を図りながら、そこから社会的便益や経済的利益を生み出すことを目的としたプラットフォームである。TAMを担うのがタウンアセットマネージャーである。本研究では、TAMの推進するために設置したタウンアセットマネージャー養成講座での実践的取り組みにおいて、タウンアセットマネージャーをプラットフォームのプラットフォームの形成者として位置づけ、タウンアセットマネージャーが有効に機能するための要件をアブダクション(逆行推論)の考え方に基づいて明らかにしており、おおむね順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2つ目のテーマに「複合的プラットフォームのリスクガバナンス」を取り組む。都市システムのように複数の自律分散型インフラプラットフォームによって構成されるような複合的プラットフォームでは、例えば自然災害などの外力によって、単独のプラットフォームの処理能力を超える事態が発生する可能性がある。単独プラットフォームにより対応可能なリスクシナリオの範囲をあらかじめ特定しておく必要がある。そのためには、外生的シナリオと因果関係に基づいて、所与のプラットフォーム政策の下で生起する結果を求めるとともに、逆にプラットフォームが対応できないリスクシナリオを遡見(結果から原因を推論すること)することにより同定できる。小林、大西は因果関係と遡及関係に基づくプラットフォームの対応能力を求める方法論(ビッグシミュレーションと呼ぶ)を提案し、国際金融,火山災害を対象としてその有効性を検証している。複合的プラットフォームのガバナンスは、それを構成する単独プラットフォームが対応不可能な領域に対して1)フェイル・セイフ型システム連携、2)資源の相互補助、3)複合システムレベルでの超越的な対応策等で対応することが必要となる。2024年度では、小林・大西による共同研究として複合的災害を事例にとり、ビッグシミュレーションによる複合的プラットフォームのリスクガバナンスの実証的分析を試みる。
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