Project/Area Number |
23K04099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
山口 晴代 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (20722672)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | アオコ / 気候変動 / 藻類 / 外来種 / シアノトキシン |
Outline of Research at the Start |
アオコ形成シアノバクテリアの一種であるRaphidiopsis raciborskiiは近年の気候変動により、世界中の淡水域での分布拡大が懸念され、一部では肝臓毒であるシリンドロスパーモプシンを産生する。長らく日本においては、無毒の個体群の存在しか知られていなかったが、近年、南西諸島において有毒個体群の存在が確認された。本研究では、水源のモニタリング調査、有毒個体の定量PCR解析、シアノトキシンの濃度測定、単離株の全ゲノム解析を行い、有毒個体の国内への侵入状況やそのリスクを明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
アオコ形成シアノバクテリアの一種であるRaphidiopsis raciborskiiは近年の気候変動により、世界中の淡水域での分布拡大が懸念され、一部では肝臓毒であるシリンドロスパーモプシンを産生する。長らく日本においては、無毒の個体群の存在しか知られていなかったが、2008年に石垣島の1つのダム湖においてデオキシシリンドロスパーモプシンを賛成する有毒個体群の存在が初確認されていた。その後の石垣島のダム湖でのR. raciborskiiの侵入状況を明らかにするため、今年度、石垣島の4つのダム湖のモニタリング調査を行った。得られた水試料を用いて、シリンドロスパーモプシン合成遺伝子及び本藻RNAポリメラーゼ遺伝子の定量PCR解析を行うことで、有毒個体の存在量を推定した。また、シアノトキシンの濃度測定も実施した。結果、石垣島の4つのダム湖において、シリンドロスパーモプシン合成遺伝子のコピー数は本藻RNAポリメラーゼ遺伝子のコピー数と比較して圧倒的に少ないものの(数%程度)、5月に多く検出されることが明らかとなった。一方で、デオキシシリンドスパーモプシンの濃度はそれより遅れて6月に高濃度になる傾向があった。調査した4つのダム湖のすべてでデオキシシリンドスパーモプシンが検出されたことから、2008年と比較すると本藻の有毒個体は石垣島のすべての地域に侵入し、広がり、定着していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水源にて採集された環境水を用いて、本藻の有毒個体の定量PCR解析、シアノトキシンの濃度測定を行い、2008年以来の石垣島のダム湖における本藻の拡大、定着状況を予定通り、明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
単年度では有毒個体の出現状況の断定はできないため、引き続きモニタリングを行う。また、本藻の全ゲノム解析を行い、有毒個体の遺伝子・生理的特性を明らかにするとともに、日本に侵入したエコタイプを同定する。
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