Project/Area Number |
23K04118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
高瀬 裕也 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (30515911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱 幸雄 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (70238054)
金澤 健 北海学園大学, 工学部, 准教授 (80823773)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 片持ち梁 / ひび割れ補修 / 機械学習 / 人工知能 / 劣化 / 損傷 / 補修・補強 |
Outline of Research at the Start |
構造物の基本的な耐震設計の理念は「大規模地震動に対し構造物の倒壊を防ぐ」ことであるが,脱炭素化やSDGsなどの観点から,一度大きな地震動を受けても補修・補強しながら使い続けることが望まれる。しかし環境作用に起因する劣化,複数回経験する大規模地震による損傷,これに付随して補修を繰り返すなど,様々な現象を複雑に経験した構造物がどれほどの耐震性能を有しているかは未解明である。本研究ではRC造梁を対象に,劣化や載荷履歴,補修の有無を主なパラメータとし,実験的・解析的に残存性能および回復性能メカニズムを明らかにする。さらに,これらを予測する学習モデルを構築し,AIを活用した新たな設計法の開拓を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,鉄筋コンクリート(以下,RC)梁を対象に,劣化や載荷履歴,補修の有無を主なパラメータとして,実験的・解析的に残存性能および回復性能メカニズムを明らかにし,さらに,これらを予測する学習モデルを構築することで,AIを活用した新たな設計法の開拓を目指すものである。 これらの目的に対し,2023年度は,せん断加力とひび割れ補修を繰り返すRC片持ち梁の加力実験および包絡曲線を予測する機械学習モデルの構築を実施した。試験体数は5体であり,一般的な正負交番繰り返し加力,損傷度Ⅱと損傷度Ⅲとなるよう,それぞれ部材変形角を1/100と1/75までの正負交番繰り返しせん断加力を2回実施したあとに,さらに押切り加力(3回目の加力)を与えた2体,これらに加え,1回目加力,2回目加力のあとにエポキシによるひび割れ注入を施した2体の加力実験を実施した。 本実験の結果,損傷度が大きくなると残存性能の低下や,残留ひび割れ幅が大きくなること,さらにひび割れ補修を施すことで最大耐力は回復するが,エネルギー吸収性能は回復できないことが明らかとなった。また損傷度が大きい方が,ひび割れ補修による回復効果が得られやすいことも明らかとなった。 また機会学習モデルでは,Random Forest,XGBoost,LightGBMの3種類を用いて,学習モデルを構築した。説明変数は,変形角,載荷回数,ひび割れ補修回数,経験した最大変形角,残留ひび割れ幅などであり,せん断荷重を目的変数とすることで,包絡曲線を予測する学習モデルである。予測結果として,試験体数も少ないことから,現状では適切に包絡曲線を再現できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,加力方法を確定するところまでが初年度の予定であったが,実際に加力と補修を繰り返す実験を実施し,一定の結果を得ることができた。さらに,機会学習モデルも構築し,良好に予測できそうなことが分かったため,順調に進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,RC片持ち梁の追加実験を実施し,教師データを蓄積する。追加するパラメータとして,加力と補修のタイミングを変更する。例えば,1回目加力→補修→2回目加力→3回目加力,あるいは1回目加力→2回目加力→補修→3回目加力のような載荷と補修履歴を経験する部材の性能を評価する。さらに鉄筋比やあばら筋間隔など梁断面を変えて実験する。これらの他,劣化,加力,断面修復を繰り返す部材の性能を明らかにするための実験も検討する。 上記で述べた追加データを学習項目に加え,モデルの汎用性を高める予定である。機械学習アルゴリズムに,ニューラルネットワークを加える。また,有限要素解析を実施し,損傷や劣化したRC部材に対する補修効果のメカニズム解明を目指し,実験・解析の両方から本研究課題の解決に向けアプローチし,AIを用いた新たな設計法を提案する。
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