Project/Area Number |
23K04126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡部 憲 東海大学, 建築都市学部, 教授 (10384934)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 構造材料 / 繊維補強コンクリート / 二酸化炭素 / 高靭性コンクリート / アルカリ活性材料 / 再生骨材 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、二酸化炭素排出量削減のための再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートの実現を目的とする。筆者が注目した材料は、ジオポリマーを含むアルカリ活性材料(AAMs)であるが、AAMs普及のため、品質評価手法、品質管理を含む生産体制、コスト、法的背景等の今後解決すべき課題は少なくない。筆者は、セメント代替材料としての性能検証のみでなく、それをはるかに上回る性能を有するAAMsが実現できれば、普及のための大きな一助になると考えた。そこで本研究では、再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートの調合、力学特性およびRC部材への適用性について検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、再生細骨材を使用した高靭性AAMsモルタル実現のための、以下の検討を行った。1)調合検討:水結合材比(40~60%)、水ガラス体積混入率(5~15%)、繊維体積混入率(PVA繊維を使用、0~4%)、水溶液中のNaOHモル濃度(1~3%)、細骨材結合材比(50~250%)、細骨材種類(天然および再生)を要因として、調合を試し練りにより決定した。目標スランプフローは60㎝とした。2)各種破壊試験:圧縮および曲げ破壊試験を行った。検討の結果、以下の知見が得られた。1)調合検討の結果、AAMsモルタルのスランプフローは、一部を除き材料分離を生じることなく、目標値60cmを概ね達成できた。2)各種破壊試験の結果、一部を除き繊維補強AAMsモルタルは十分なひび割れ分散性および優れた曲げ靭性を有していることがわかった。 また、令和6年度実施予定の、再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートの実現性についても検討を行った。1)調合検討:水結合材比(40~60%)、水ガラス体積混入率(5~15%)、繊維体積混入率(0および3%)、繊維体積混合比(PVA繊維と鋼繊維を7:3および10:0)、骨材種類(天然および再生細・粗骨材)を要因として、調合を試し練りにより決定した。目標スランプフローは50㎝とした。2)各種破壊試験:圧縮および曲げ破壊試験を行った。検討の結果、以下の知見が得られた。1)調合検討の結果、AAMsコンクリートのスランプフローは、一部を除き材料分離を生じることなく、目標値50cmを概ね達成できた。2)各種破壊試験の結果、繊維補強AAMsコンクリートは十分なひび割れ分散性および優れた曲げ靭性を有していることがわかった。 以上、令和5年度の研究成果により、再生骨材を使用した高靭性AAMsモルタルおよびコンクリートは実現可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、CO2排出量削減のための再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートの実現を目的としている。筆者が注目した材料は、ジオポリマーを含むAAMsであるが、AAMs普及のため、品質評価手法、品質管理を含む生産体制、コスト、法的背景等の今後解決すべき課題は少なくない。筆者は、セメント代替材料としての性能検証のみでなく、それをはるかに上回る性能を有するAAMsが実現できれば、普及のための大きな一助になると考えた。そこで本研究では、まず、各種材料試験を行い、再生骨材を使用した高靭性AAMsモルタルおよびAAMsコンクリートの調合、各種力学特性を明らかする。そして、RC梁試験体の載荷試験、数値解析を行い、再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートによるRC部材の耐震性能改善効果を明らかにすることとした。初年度となる令和5年度は、再生細骨材を使用した高靭性AAMsモルタルの開発を目標とした。次年度となる令和6年度は、再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートの開発を目標とした。最終年度となる令和7年度は、再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリート製鉄筋コンクリート梁試験体の載荷実験および数値解析を行い、性能向上メカニズムの解明を目標とした。 令和5年度は、【研究実績の概要】に示した通り、再生骨材を使用した高靭性AAMsモルタルおよびコンクリートは実現可能であることがわかった。本年度の目標は概ね達成し、令和6年度の目標についても踏み込むことができた。しかし、長期性状に関する検討は未実施であり、研究発表についても、論文等、現在、投稿中であり、本年度の成果として掲載できなかった。 以上を踏まえ、現在までの進捗状況を「おおむね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、前年度開発された再生骨材を使用した高靭性AAMsモルタルおよびコンクリートの長期性状試験(強度発現、収縮)試験を実施することにより、再生骨材を使用した高靭性AAMsモルタルおよびコンクリートの長期性状を明らかにするため、以下の検討を行う。1)材齢(7~91日)、水ガラス体積混入率(5~15%)、骨材種類(天然および再生)、養生条件(標準、封緘および気中)を要因として、高靭性AAMsモルタルおよびコンクリートの圧縮および曲げ強度発現試験を行う。2)水ガラス体積混入率(5~15%)、骨材種類(天然および再生)を要因として、高靭性AAMsモルタルおよびコンクリートの収縮試験(乾燥条件:材齢7日まで水中養生、その後、恒温・恒湿室内での気中養生)を行う。また、前年度開発された再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートの調合改善を行い、各種力学特性に及ぼす調合条件の影響を明らかにするため、以下の検討を行う。1)調合検討:粗骨材寸法(10~20mm)、粗骨材量(細骨材率で70~100%)、繊維体積混合比(PVA繊維と鋼繊維を5:5~10:0)、繊維体積混入率は3%)骨材種類(天然および再生)を要因として、調合を試し練りにより決定する。2)各種破壊試験:圧縮および曲げ破壊試験を行う。 最終年度となる令和7年度は、再生骨材を使用した高靭性AAMsコンクリートによるRC部材の耐震性能改善効果を明らかにするため、RC梁試験体の載荷試験および数値解析を実施する。 本研究の重点管理項目の1つである高靭性AAMsモルタルおよびコンクリートの調合検討については、概ね目途がたった。今後、RC梁試験体の載荷試験実施が残された重点管理項目であり、問題が生じた場合、研究協力者(企業協力者)の助言を受けて対応する。
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