ラチスシェル屋根面に制振装置を設置する耐震改修手法とその応答評価手法の構築
Project/Area Number |
23K04128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
熊谷 知彦 明治大学, 理工学部, 専任教授 (70376945)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | ラチスシェル / Tuned Mass Damper / 地震応答低減 / 耐震改修手法 / 防災拠点 / 振動台実験 / 有限要素法解析 |
Outline of Research at the Start |
スポーツ施設やイベントスペース等の屋根構造として使用されるラチスシェル構造は,近い将来発生が予測される大地震等の災害時には,防災拠点としても使用される建築物である。本研究は,ラチスシェル構造にTMD(Tuned Mass Damper)のような制振装置を設置した場合の設計時の想定を超える地震動までを対象とした応答低減効果の解明,さらには耐震改修手法および応答評価手法の構築を目的としたものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,空間構造物の中でもラチスシェル構造を対象に,屋根構造に制振装置を設置した場合の設計時の想定を超える地震動までを対象とした応答低減効果の解明,さらにはその手法を用いた耐震改修手法および応答評価手法の構築である。学校体育館を含むスポーツ施設やイベントスペース等の屋根構造として使用されるラチスシェル構造は,発生が予測されている大地震や近年多発している台風等の災害時には,防災拠点としても使用される建築物である。しかしながら,災害時にも使用可能な状態を維持するための技術であるTMD(Tuned Mass Damper)のような制振装置を屋根面に設置する耐震改修手法ならびに応答低減により得られる耐震性能の向上の評価手法は確立されていない。そこで本研究では,TMDによる制振方法の普及を目指し,設置方法および評価手法を稀に発生する地震動から設計時の想定を超える地震動までを含めて構築する。本研究では研究期間3年間で振動台実験および有限要素法解析により以下のことを明らかにする計画である。 1) 1/3スケール試験体を用いた振動台実験による応答低減効果の検証,2) 弾塑性地震応答を呈する場合の応答低減効果の分析,3) 1/3スケール試験体による振動台実験の再現解析による分析,4)許容変形評価のための応答の選定および許容変形量の提案,5) 複数パラメータに対する縮小模型を用いた振動台実験による分析6) 弾性~弾塑性応答までを包含する応答評価手法の構築 令和5年度には,上記1)について実行し,1/3スケール試験体へTMD2機を設置することによる応答低減効果の検証を振動台実験を行い,最大50%の応答低減効果を確認した。また,2)についても屋根型円筒ラチスシェルを対象に数値解析により分析を進め,弾塑性地震応答を呈する場合にも応答低減効果の悪化は殆ど無いことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書における初年度(2023年度)の計画は,1/3スケール試験体を用いた振動台実験による応答低減効果の検証,弾塑性地震応答を呈する場合の応答低減効果の分析であった。このことに対して,1/3スケール試験体を用いた振動台実験については,前年度より試験体および制振装置であるTMDの設計を進めており,夏期に実験を実施可能な状況となった。その結果として,正弦波加振時には応答を5割程度低減させることができ,2016年熊本地震の本震(4月16日)に適合した告示波(最大加速度400cm/s2)に対しても鉛直応答加速度を4割低減することができた。また,弾塑性地震応答を呈する場合の応答低減効果の分析についても,予定通り,自研究開発の非線形有限要素法解析プログラムを用いることにより,希に発生する地震動に対して弾塑性応答を呈する場合のTMD設置による応答低減効果を分析した。その結果,安全限界レベルの倍程度の地震波に対して弾塑性応答を呈する場合にも鉛直応答加速度における低減効果には変動がほぼ無いことを明らかにした。さらに,1/3スケール試験体を用いた振動台実験の再現解析に関しても,夏期の実験後に進めており,実験で観測された振動モードを再現することができている。以上のような進捗状況より,おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である2024年度の研究計画は,3)1/3スケール試験体による振動台実験の再現解析による分析,4)許容変形評価のための応答の選定および許容変形量の提案であるが,3)については,2023年度において再現解析のためのモデル構築を終えており,非線形時刻歴応答解析を進めている段階にある。今年度は,実験では実施できなかったTMD設置パラメータ(制御対象モード,TMDの設置個数など)を対象として数値解析を進めていく予定である。また,許容変形評価に関しては,単層ラチスドームを対象として検討を進めており,許容変形評価を行う応答量には塑性回転角を用いることが決定している。今年度は,この方針に基づき,非線形時刻歴応答解析を進めて許容変形量を提案した上で,その許容量をより簡便な解析手法(弾性地震応答解析,静的解析)により満足することを検証できるようにすることを目標として進める。また,次年度の研究計画ではあるが,5) 複数パラメータに対する縮小模型を用いた振動台実験による分析についてもTMDの縮小模型の設計を始めており,今年度中にTMDの性能試験を実施する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)