Project/Area Number |
23K04141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
住吉 大輔 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (60432829)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 都市エネルギー / 最適配置 / 変動性再生可能エネ ルギー / 建築 / シミュレーター / GIS / 将来予測 / 脱炭素 / 蓄電池 / 電気自動車 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、カーボンニュートラル社会の実現を見据え、IEAフェーズ6(変動性再生可能エネルギーが大量導入された状態)到達までのエネルギーシステム(太陽光発電、風力発電、電気自動車、水素等変換・貯蔵、その他の機器のボリュームバランス)の理想像を明らかにするものである。 カーボンニュートラル社会を実現するために、例えば、電気自動車・蓄電池がどれだけ必要か、住宅の屋根にどの程度の太陽光発電パネルを載せるべきか、などIEAフェーズ6に至るまでの求められる要件と理想的(最小限の設備投資)な配置を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「1.都市のエネルギー需要(電力需要、暖房需要、冷房需要、給湯需要)をGIS データに基づいて推計するシミュレーターに、将来の変化要因を加味できるようにし、2050年までのエネルギー需要を計算できるようにする。」、「2.カーボンニュートラルを実現するための都市エネルギーシステムについて、IEA フェーズ3→フェーズ6へと遷移していく過程を踏まえて、実現が可能な最適構成・最適配置を計算し、各フェーズにおける最適解を提示する。」ことである。 初年度である2023年度は、モデル改良フェーズと位置づけ、これまでに開発してきたGIS(地理情報システム)に埋め込まれた建物の延床面積や用途などの情報を基に、各建物のエネルギー消費(電力、空調負荷、給湯負荷)が5分間隔でどのように変化するかを推計するシミュレーターに改良を加えた。具体的には、非住宅建築物の計算モデルの見直しを行い、より広範囲の計算を短時間で行うための計算手法の改良を行った。また、住宅建築物の計算方法の簡略化に取り組み、エリアでまとめて計算する手法を採用して大幅な計算速度向上を図った。 将来予測に関連しては、人口の変化と建物延床面積の変化の関係性を5つの都市からデータを取り寄せて、分析を行った。これを元に、将来の人口変化に応じて、都市の延床面積がどのように変化するかをまとめ、将来予測の基礎データとした。また、外気温度の将来予測についても手法をまとめ、農研機構が提供する気象データの将来予測値をベースに、シミュレーターに反映するための気象データを作成した。さらに、電化が進む将来像を想定し、系統電力の電源構成(火力、原子力、再生可能エネルギー等)の将来変化に基づいて、CO2排出係数がどのように変わるかを時々刻々計算するための計算モデル開発を行った。 これらの研究成果は、海外ジャーナルを含めて対外発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していたとおり、モデル改良フェーズと位置づけた初年度(2023年度)で、これまでに開発してきたシミュレーターの改良を進め、課題となっていた計算速度向上のための計算の工夫を組み込むことができた。 また、将来予測についても、外気条件、都市の変容、電源構成に関して必要な情報を集め、モデルに組み込める状況を構築した。 そのため、当初構想していた研究フローに沿って、概ね検討を進めることができたと考えている。 これらの対外発表も行っており、十分に成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、精度検証フェーズとして、本年度改良に取り組んだモデルの精度検証に取り組む。当初の研究計画にはなかったが、2023年度より電力の広域データが購入できる制度が開始され、過去のデータの取得が可能となった。そのため、2024年度の研究では、一部の地域のデータを購入して、シミュレーターの精度を確認することを予定している。また、予定通り福岡市全体を対象とした計算や電化比率、再エネ比率、EV普及率などのシナリオに基づく計算を行い、将来のエネルギーシステムがどのようになるか、どのようにすれば良いかを検討していく予定である。加えて最終目標の一つであるGISデータさえあればどの地域でも計算できるようモデルの汎用化についても検討を進める。 課題の一つである計算速度の問題は、2023年度のモデル改良で改善されたが、さらに計算のためのハードウェア(複数台のPC)の整備を別途進めてきており、広域の計算について、ハードウェアを活かした計算方法の検討を行って、より高速で計算が行えるように改良を進めていく予定である。2024年度も4名程度の学生の協力を得ながら進めることができる予定であり、特にシミュレーターの改良と検証を重点的に進める。
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