Project/Area Number |
23K04146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
岸本 嘉彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30435987)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | 吸放湿 / 木材 / 軟化 / 圧縮変形 / 空隙構造 / 平衡含水率曲線 |
Outline of Research at the Start |
提案する方法は二種類あり,(A)木材を高温圧縮する方法については,プレ条件(液水への浸漬時間,浸漬温度)と圧縮条件(圧縮率,圧縮速度,圧縮方向),(B)木質繊維板の表層部と内部の圧縮率を製造工程においてそれぞれ操作する方法については,表層部と内部の圧縮率と接着剤種別・含有量,これらを実験条件とし,各相対湿度域における平衡含水率曲線の勾配変化,保持含水率,水分移動係数の変化から吸放湿性能の覚醒効果を検討する。 天然素材である木材に対し,高湿度領域にある平衡含水率曲線の急勾配を,物理的な手法を用いて任意の湿度域に移行できるのか,これが本申請課題の学術的な問いである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,木材が95%RH以上の領域に有している高い吸放湿性能を,軟化・圧縮変形を利用して,任意の相対湿度域(主として60%RH付近)にシフトさせる調整手法の開発を目的とする。提案する方法は二種類あり,(A)木材を高温圧縮する方法と,(B)木質繊維板の表層部と内部の圧縮率を製造工程においてそれぞれ操作する方法である。 方法(A)については,プレ条件(液水への浸漬時間,浸漬温度)と圧縮条件(圧縮率,圧縮速度,圧縮方向),方法(B)については,表層部と内部の圧縮率と接着剤種別・含有量,これらを実験条件とし,各相対湿度域における平衡含水率曲線の勾配変化,保持含水率,水分移動係数の変化から吸放湿性能の覚醒効果を検討する。方法(A)については,水分移動係数の異方性(繊維方向と直交方向)についても検討する。 初年度は提出した研究計画のうち,a)高温圧縮木材のプレ条件として,浸漬温度と浸漬時間の影響の把握,b)高温圧縮木材の圧縮条件として,圧縮方向,圧縮温度,圧縮率,圧縮速度の影響の把握について,ベースとなる圧縮前の物性測定と共に検討を実施した。また並行してf)住宅の内装材としての利用効果を数値計算により定量化のために必要となる数値計算モデルおよび計算プログラムの準備も進めた。初年度の測定結果より,測定方法に関して更なる改善が必要な状況ではあるが,現状の課題については整理できており,次年度は継続して測定を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定と異なる点として,大きな変更点は湿気伝導率の測定結果に液水移動成分が含まれている可能性が見受けられており,この検証と測定条件について再設定が必要となったことである。これについては新たな測定条件において再度測定を実施することにより対応する。 初年度はa)浸漬温度の影響と浸漬時間の影響およびb)圧縮率と圧縮方向の検討を実施した。破壊が生じる条件も当然存在しており,品質安定化の観点からは破壊が生じない範囲内の条件とする製造方法が望ましいが,破壊の影響が効果を高める側に働く可能性もあるため,物性測定の条件としては除外しない方針をとった。次いで,チャンバー法に基づき平衡含水率の測定を,カップ法に基づき湿気伝導率の測定を実施している。破壊が生じた試験体の平衡含水率測定は重量含水率表記の場合,破壊の有無の影響を受けないが,容積基準に換算する際には定義等について検討が必要である。同様に湿気伝導率測定についても,破壊の有無による影響について,数値計算への適用とモデル化との対応に関して再検討が必要な状況となっている。また並行して,吸放湿材として住宅の内装材に利用した場合の数値計算モデルを作成し,計算プログラムの作成を進めた。吸放湿特性値について線形モデルと非線形モデルの両者について検討可能な状況を準備した。種々の測定については現状の課題については整理できており,次年度は継続して測定実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
提出した計画書に従い,継続してb)高温圧縮木材の圧縮条件として,圧縮方向,圧縮温度,圧縮率,圧縮速度の影響の把握に関する物性測定を実施する。一部,測定条件を再設定するものがあるため,それらに対応する。 加えて,c)単層中質繊維板の条件として,圧縮率,含有接着剤種別,含有量の影響,d)複層中質繊維板の条件として単層繊維板の組み合わせの最適化について,検討を進める予定である。
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