Project/Area Number |
23K04158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
牛島 朗 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40625943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 朋也 山口大学, 教育学部, 准教授 (30757638)
濱 定史 山形大学, 工学部, 助教 (40632477)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 秋吉台 / ポリエ / ドリーネ / ウバーレ / 営農環境 / 屋敷配置 / 水利慣行 / 農村景観 / 建築構法 / コモンズ |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は「農村景観」を,「土地の個性」を反映する存在で,様々な時間軸で生じる「変化」そのものが農村景観の本質であると位置づける。その上で,実際に 景観構成要素の変化として表象される各変化の連関構造及び農村社会に見られる共同性が如何なる変質を遂げてきたのかの解明・可視化作業を試みることで農村景観の実相に迫りたい。その際,異なる専門性を有する3研究者が,問題意識・課題を共有し,それぞれの見識・技術を最大限活かすことで,地域固有の景観特性の解読手法に関し,従来の学問領域を超えた学術的知見・見解を導き出し,農村地域の再生に向けた,より具体的かつ現実的な景観保全・継承手法の構築・提示に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地域固有とされる農村部の「景観的価値」を読み解くため,特有の地理条件を有する秋吉台周辺地域を事例に,物的環境として可視化された諸々の要素の特性及び要素間相互の連関構造の解析と合わせ,村落社会の中で生じた近代以降の共同性変質のプロセスと景観変化を関連づけた検証を試みるものである。初年度となる2023年度は,対象地域の景観を構成する諸要素(建築物,耕作地,山林,水利ネットワーク,道路網等)に関する現在の基本情報を収集するとともに,GISを用いたデータベース構築を実施した。 加えて,当該地域の土地利用に関し,戦前から戦後にかけて耕地整理及び圃場整備が繰り返し実施されてきた経緯を加味し,履歴を遡り明治初期の土地利用復原作業も試みている。 その際,研究代表者及び研究分担者は,それぞれの専門性の観点からデータの収集を行っており,1つ目は,土地台帳や耕地整理・圃場整備に関わる記録文書の収集・解読及びデジタルデータベース化,2つ目は,対象地域の土地や水資源の管理に関する社会組織と個々の組織運営の経年的変化に関するヒアリングや記録資料の収集及び体系化,3つ目は,対象地域に残る様々な年代の建築物の図面採取及び図面のデジタル化作業となっている。 以上の作業を踏まえ,当該地域の景観構成を検討する上で,秋吉台特有の土壌や湧水などの固有の環境が,同地域での営農及び近代産業の進展に多大な影響を及ぼしてきており,建築物の構成にもその関連を見出すことが出来ることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,当初予定していた現地での資料収集及び研究者間での打ち合わせなどについて,円滑に実施することが出来ている。また,資料収集に関しては,現地の関係者の多大な協力もあり,想定以上のデータを入手出来ており,今後の分析作業において最大限の活用を行う予定である。 但し,現地での個々の建築物の詳細な調査(図面採取など)に関連しては,調査対象者との日程調整に際し,学外分担者の参加が困難となったケースも有り,次年度の現地調査の充実を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降に向けては,初年度に作成しているデータベースの補強を図るため,追加での資料収集及びデジタル化作業,現地での建築物等に関わる実測調査を継続して実施する。 加えて,研究代表者と研究分担者の有する個々の専門性に基づく調査成果を統合し,対象地域に生じた経年的変化との関連を考察するため,同一時間軸の中で個別データを位置づけるとともに,相互の関連について検証を行うことで,景観構成要素間の通時的な連関構造の解析・体系化作業を行いたい。 その上で,最終的には同地域の景観特性を明らかにするとともに,地域固有の文化的景観の保全や継承を見据えた計画手法の構築に繋げたい。
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