Project/Area Number |
23K04205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
陳 雲蓮 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 講師 (70791896)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 英国外国聖書公会 / 神戸ハウス / Mr. Kawai / 広東ハウス / A.W.Purnell / コロニアルスタイル建築 / 聖書公会の建築構成 / ロンドン本社 / 聖書翻訳と販売システム / 地域性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本、韓国、中国、香港、インドネシア、インドにおける英国外国聖書公会の近代建築群の現地調査、及びケンブリッジ大学図書館に所蔵される聖書公会の建築図面、一次文献の解読に基づき、20世紀初頭から同聖書公会の聖書翻訳販売方針、聖書翻訳と販売、信者たちによる聖書の読書及び英国代理人たちの居住形態がどのように建築に反映されたのかを究明することを目指す。 まずは研究調査を進めている神戸ハウスの建設過程の全体像を明らかにした上、ソウルハウス、香港ハウス、牛荘ハウス、上海ハウスの検討を進めていく予定である。研究の後半はインドネシアとインドの聖書公会の建築を中心に分析を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は4月にイギリス・ケンブリッジ大学で文献調査を行い、英国外国聖書公会神戸ハウスの図面史料と書簡を新たに入手し、それら図面の清書と書簡の解読を進めてきた。6月には神戸旧居留地で神戸ハウスの跡地と周辺の都市環境の調査を行い、神戸聖書ハウスの本館、住宅、使用人棟および庭園を含んだ建築的構成、および建設に関わった日本人建築家Mr. Kawai(河合浩蔵)やほかの日本人大工の設計活動を明らかにしている。現在、神戸聖書ハウスの建築史的考察をテーマに論文を執筆している。 一方、英国外国聖書公会の広東ハウスはまだ現存し、華南理工大学の若手研究者の案内により、その所在地を特定することができた。2023年8月に広東ハウスの現地調査を実施した結果、広東ハウスの正面ファサードは1907年竣工時の様子をまだとどめていることを確認した。本館は現存し、使用人棟、倉庫および庭園はすでに改築されている実情も把握している。なお、広東ハウスはオーストラリア人建築家A.W.Purnellが設計したことも明らかにした。現在、華南理工大学の若手研究者の協力を得て、香港、広東、厦門の植民地様式建築史の中で広東ハウスの特徴と歴史的価値を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は本研究助成の初年度であるが、イギリス、日本と中国で文献調査と現地調査を同時に進め、新しい研究成果を得られたためである。 (1)長年の懸案であった英国外国聖書公会の神戸ハウスの本館、使用人の付属棟の設計と建設過程に関して、ケンブリッジ大学で新たな史料を入手したことにより、分析が可能となった。そして、神戸居留地で現地調査を実施し、神戸ハウスの跡地と周辺の環境を分析した結果、英国外国聖書公会の神戸ハウスの敷地、建築的構成を復元することができた。 (2)中国広州市の著しい都市再開発にもかかわらず、広東ハウスはまだ現存し、その所在地を特定することができた。さらに、現地調査が可能となり、実際の建築の特徴の分析を進めている。 (3)建築の調査を進めていく過程で英国外国聖書公会やほかのキリスト教団体が近代の東アジアにおいて人々の精神世界にとどまらずに、都市空間の変容にも多大な影響を及ぼしたことが判明した。これは本研究を遂行していく上での重要な背景知識となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は主に英国外国聖書公会の神戸ハウスと広東ハウスの研究成果をまとめ、聖書公会の論文を完成させる予定である。6月には韓国のソウルに出張し、釜山大学の建築史研究者と協力し、ソウルハウスの現地調査を行う予定である。9月には中国の営口(牛荘)と北京、天津の聖書公会の建築または跡地を調査する予定である。現地調査のほか、膨大な歴史的建築図面の清書作業を行い、各都市の聖書ハウスの復元図の作成につとめる。 今年度の作業により、聖書公会の日本本部である神戸ハウス、韓国本部であるソウルハウス、華北本部である北京ハウス、天津ハウス、華南本部である広東ハウスの比較検討が可能になると考える。近代の東アジアにおける英国外国聖書公会の建築史的全体像を描きたいと計画している。
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