Project/Area Number |
23K04208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱田 晋一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30840847)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 城郭石垣 |
Outline of Research at the Start |
城郭石垣については、特に慶長期から寛永期(1596~1645)の約50年間に著しい発展をみせる。これまで、石材加工と石積み技術に着目して調査を行い、その技術的変遷を明らかにしてきた。しかし、その技術がどういった経緯で如何にして伝播したかについては、問題として残されながらも、大名の動向と技術の発展を結び付けることは容易でなく、解明するに至っていない。そこで、徳川家の命による「公儀普請」で全国各地の大名を召集して築かれた石垣の、石材加工方法と石積み技術を調査し、各大名の技術力を明らかにする。さらに、各大名がその前後の時代に築いた石垣と比較することで、技術の伝播についても解明していく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、主に、中部地方ならびに甲信地方、東北地方の一部の石垣調査を行った。調査の手法については、石材加工方法や石積み技術に関する調査内容を整理し、すべての城郭石垣に対して、同内容の調査を行った。例えば、石材加工については、整形度を「不整形」、「やや不整形」、「やや整形」、「整形」に分けて調査し、均一度についても「不均一」、「やや不均一」、「やや均一」、「均一」に分けて調査を行った。石積み技術は、平部と隅の隅角部に分けて、それぞれ加工程度による積み方や、横の目地の通り具合に注目した積み方など、4項目に分けて調査を行った。このように、調査対象の城郭石垣すべてに対して、同様の調査を行うため、技術変遷を明確化することができる。 そして、今年度調査した城郭石垣は以下の通りとなる。津城(三重県)、松阪城(三重県)、田丸城(三重県)、岩村城(岐阜県)、諏訪高島城(長野県)、松本城(長野県)、甲府城(山梨県)、躑躅ヶ崎館(山梨県)、龍岡城(山梨県)、上山城(山形県)、山形城(山形県)、白石城(宮城県)。これらの城郭は、桃山時代から江戸時代にかけて築かれた石垣であり、例えば、松本城は桃山時代の技術を有しており、石材加工、石積み技術は、江戸時代に築かれた津城、松坂城と比較すると、技術が劣っていることが明らかである。また、2023年度の調査結果は、2024年度以降に行う、徳川家の命による公儀普請で築かれた、大阪城や名古屋城、江戸城等の技術を整理する上でも欠かすことの出来ないものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の進捗状況はおおむね順調に進展している。時代別にみた技術変遷も見えており、この結果を、2024年度以降の調査にも繋げていくことができる。 2024年度以降も、2023年度と同様に、計画的に調査研究を進めていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度の城郭石垣調査によって、調査項目が確立された。そして、時代による技術差も見え始めている。2024年度以降の調査についても、この調査項目を基に、調査を進めることで、本研究の目的である、「公儀普請」によって築かれた石垣の、技術力を明らかにすることができる。さらに、各大名がその前後の時代に築いた石垣と比較することで、技術が如何にして伝播したのか、解明することもできる。
|