Project/Area Number |
23K04211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
岸 泰子 京都府立大学, 文学部, 教授 (60378817)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 近世 / 禁裏 / 院御所 / 仮御所 / 霊元院 / 建築 |
Outline of Research at the Start |
実質的に朝廷政治を担った院の御所(院御所)や仮御所には、朝廷・幕府にとって絶対的に必要とされる「内裏」の空間が優先的に確保された。このような仮御所・院御所の空間からは、禁裏(朝廷社会)の本質がみてとれる可能性がある。しかし、近世の仮御所や院御所については、その造営の経緯や殿舎の特徴、組織(人員)は明らかにされつつあるものの、空間の使われ方などは明らかにされていない。 そこで本研究は、近世の仮御所や院御所、特に17世紀から18世紀にかけて後水尾院や霊元院といった院が実質的に朝廷政治を担った時期の院御所や仮御所に着目し、建築史的視点からそれらの御所の特性と位置づけ(意義)を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
近世において実質的に朝廷政治を担った院の御所(院御所)や仮御所には、朝廷・幕府にとって必要とされる内裏が優先的に確保された。このような仮御所・院御所の空間からは、禁裏(朝廷社会)の本質がみてとれる可能性がある。しかし、近世の仮御所や院御所については、その造営の経緯や殿舎の特徴、組織(人員)は明らかにされつつあるものの、空間の使われ方などは明らかにされていない。 そこで本研究は、近世の仮御所や院御所、特に17世紀から18世紀にかけて後水尾院や霊元院といった院が実質的に朝廷政治を担った時期の院御所や仮御所に着目し、建築史的視点からそれらの御所の特性と位置づけ(意義)を明らかにすることを目的とする。 令和5年度は、朝廷(禁裏)ならびに院御所や仮御所についての史料・先行研究を整理した。また、院御所のなかでも近世中期以降の基礎となる霊元院御所に着目し、その殿舎構成について建築史的視点から考察をおこなった。またその御所の造営についても宮内庁書陵部等が所蔵する公家の記録等から経緯などを確認し、特性を抽出した。また、霊元院御所における儀式や文化活動の概要の把握にもつとめた。 本研究では、比較研究から近世の仮御所の特性の抽出も試みる予定である。今年度は近世中期・後期の院御所の史料を蒐集した。また、近世初期の院御所については、その位置を再考察し、その成果を論考内で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の整理、国内の関係機関等での史料蒐集などは順調にすすんでいる。また、成果の公開にむけてのシンポジウムの開催準備もすすんでいることから、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、造営や使い方などに着目しながら、院御所(特に霊元院御所)の殿舎構成について建築史的視点から考察をおこなう。そのために必要な公家日記や指図等の蒐集をすすめる。 成果のうち、霊元院御所の造営とその空間特性については、2024年12月に開催予定の中井家文書に関する研究シンポジウム(合同主催)において発表する予定である。 また、仮御所についてもその造営の経緯と変容の解明をすすめる。仮御所の造営の経緯などを整理し、さらにそれがどのような背景のもとで整備されていったのかについても解明をすすめる。主な対象(時期)としては、延宝度仮御所(1673-)、宝永度仮御所(1708-)を予定している。 なお、本研究では、比較研究による近世の院御所・仮御所の特性の抽出も試みる。ほかの時期の院御所や仮御所のほか、近世フランスの事例等との比較検討を予定している。後者に関しては連携研究者とともに社会情勢もみながら調査の実施等を検討する。
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