Project/Area Number |
23K04268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24020:Marine engineering-related
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
小林 充 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, グループ長 (10373416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 圭二 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (90734244)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ウェザールーティング / AIS / データ同化 / 海流 / ゼロエミッション / 運航の効率化 / 航海計画 |
Outline of Research at the Start |
長距離を運航する船舶は、いつも同じ航路を通っているわけではなく、海流や風波の現況を考慮して安全・経済的な航路を選んで航海しています。ここで燃料消費の観点で最も重要なのは海流で、うまく海流に乗ることでずっと少ない燃料で運航できます。 一方で、船は衝突防止のためにAISという仕組みを使って現在位置と進路(船が進む方向)、船が向いている向きを電波で発信しています。海流で船が流されると進路と向きに差ができるので、この情報を集めて海流の誤差を修正し、より正確な海流の情報を使って船に航路を選んでもらうことで、省エネに寄与しようという研究です。
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Outline of Annual Research Achievements |
表層海流推定プロダクトに対してAISで得た偏流を同化するアルゴリズムをカルマンフィルタの手法をベースに考案し、実装を進めている。 カルマンフィルタは1つ前の時刻の推定値に対して動的モデルによる「予測」と観測値による「更新」によって現在の推定値を得る。まず予測に関しては1つ前の推定値に対し表層海流プロダクトの1タイムステップにおける差分を足しこむ形で行う。更新に関してはAISから得た偏流情報について複数のレコードを時空間メッシュで統合し、行列の固有値で得られる誤差分散の大きい方向成分と小さい方向線分の2成分に分け、更新処理を行っている。 ここにおいて、カルマンゲインの算出のために逆行列演算が必要であり、これは縦横とも観測値の個数のサイズを持つ。AISから得られる偏流データは件数が膨大で、これを統合しても空間メッシュ1つにつき2つの観測値を持つため極めて巨大な行列となり、通常のプログラムでは対応することができない。これに対し、ある程度の精度を犠牲にしつつ計算処理可能なサイズに抑える必要がある。対象海域を限定する、メッシュサイズを大きくする、メッシュあたりの2つの観測値は直交するためこれを分離して2回の更新処理に分ける、誤差分散の大きい観測値は捨てるなどの工夫を行っている。一応の結果出力はできているが、結果の妥当性などを検討する必要がある。また、誤差共分散の算出方法など未解決な課題が多く残されており、数学的な算出手段と再急降下法のような経験的な決定方法とを組み合わせて実装する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も初歩的な形でのデータ同化を実装し、計算可能な手法に落とし込んで一応の値を得るところまで行った。これからは精度の確認、精度をなるべく落とさずに計算可能なアルゴリズムにするなどの課題を解決していく。
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Strategy for Future Research Activity |
計算上の制約は案外大きいことがわかったため、思い切った簡略化とそれに対する補正が必要と考えられる。
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