Project/Area Number |
23K04287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25010:Social systems engineering-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西 遼佑 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (10727093)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 渋滞吸収運転 / サイバー攻撃 / ゴール点ずらし攻撃 / 交通渋滞 |
Outline of Research at the Start |
渋滞吸収運転は,ごく少数の「道路管制側や他の車と情報通信可能で,自車速度を自動調整可能な車」の動き方によって高速道路上の交通渋滞を除去する方法である.現状の課題として,渋滞吸収運転がサイバー攻撃によって妨害される危険性がある.本研究は,様々な高速道路上における渋滞吸収運転へのサイバー攻撃について,(i)体系的な設計を通した具体例,(ii)旅行時間,燃料消費量,衝突リスクに及ぼす悪影響,(iii)悪影響を抑制する改善策とその効果を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,渋滞吸収運転を実行する車(吸収車と呼ぶ)の内部システムへのサイバー攻撃によって,吸収車が悪意のある行動をする渋滞吸収運転について検討した.ただし,数理モデル上では,すでにサイバー攻撃を受けて悪意を持っている車として吸収車を扱った.渋滞吸収運転では,吸収車は渋滞上流にて追従走行から低速走行に移行して渋滞への車の供給を遮断し,渋滞を除去する.渋滞除去時に到達すべき時空図上の座標点をゴール点とする.悪意を持った吸収車が渋滞吸収運転の途中から加速し,本来のゴール点ではなく,吸収車の直前の車の渋滞脱出点により近づいた点に向かってしまうというゴール点ずらし攻撃を考案した.ゴール点ずらし攻撃の狙いは,前方車に接近しすぎた吸収車が減速を強いられることで,吸収車およびその上流の交通流に悪影響を及ぼすことである.評価指標としては,総旅行時間,総燃料消費量,衝突リスク指標を用いた. 第一の系としては,ボトルネックのない単車線非周期系を扱った.この系において,下流から伝播してくる渋滞を除去する場合において,ゴール点ずらし攻撃の悪影響を評価した.ゴール点を前方車の渋滞脱出点に近づけるほど,総旅行時間,総燃料消費量,衝突リスク指標が悪化する傾向を見出した.さらに,ゴール点ずらし攻撃による悪影響の軽減策として,吸収車の直後に別の車(回復車と呼ぶ)を導入した.吸収車が加速してゴール点をずらしても,本来の渋滞吸収運転の軌跡を維持するように回復車を走行させた.回復車の導入によって,後続車への悪影響を抑制することができた. また,第二の系として,典型的な高速道路のボトルネックとしてサグ部に着目し,単車線サグ部の非周期系を扱った.この系においてゴール点ずらし攻撃の悪影響を検討している段階であり,今後のさらなる検討を進めたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単純な系であるボトルネックのない単車線非周期系において,サイバー攻撃を受けた渋滞吸収運転の一例を設計し,その悪影響を分析し,さらに,悪影響の軽減策を考案して評価するという一連の研究工程を回すことができた.また,ボトルネック(サグ部)を持つ単車線非周期系の研究工程にも取り組むことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
現在取り組んでいるサグ部を持つ単車線非周期系におけるサイバー攻撃を受けた渋滞吸収運転について,研究工程を進めたい.より複雑な系についても検討したい.今年度はサイバー攻撃をすでに受けた車として吸収車を扱ったが,サイバー攻撃の吸収車への混入時点からモデルを作り込みたい.吸収車の内部システム以外を対象としたサイバー攻撃も扱いたい.悪影響の軽減策をさらに作り込みたい.上記のうちで重要と思われるものから優先的に取り組む予定である.
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