Project/Area Number |
23K04310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鈴木 宏典 東洋大学, 理工学部, 教授 (20426258)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 異常検知 / パーティクルフィルタ / 異常運転行動 / ドライバ状態推定 / ドライバモニタリング / オンライン異常検知 / ベイズ推定 |
Outline of Research at the Start |
不適切で異常な運転行動が死亡事故の多くの原因を占める中,事故に到るまでもない潜在的な異常運転行動の検知は難しい.本研究では,カメラ等による直接的なドライバの観測では十分捉えきれない潜在的な異常運転行動を検知する技術を提案し,実際の走行環境を模擬した実験データにより提案技術の性能を評価した後,異常検知後のドライバの運転行動と周辺車両へのリスクを数秒先まで予測する技術を開発する.本研究により,異常運転行動が顕在化する遥か以前にその兆候を捉えることが可能となる.また,異常運転行動によるリスクを周囲の交通参加者に伝達することにより,交通事故防止に資する安全安心な交通社会の創造が期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自動車を運転するドライバが潜在的に有する異常を事前に検知する技術を開発し,その性能を評価することである.加えて,異常が検知された際に,その数秒後に生じるリスクを予測することを目的としている. 2023年度は,潜在的な異常運転行動を検知する技術を開発することを目的とし,以下の項目を実施した. (1) まず,人間の運転行動をドライバモデルとして表現する必要があるため,ドライバモデルを選定した.先行研究を調査した結果,世界でも幅広く利用されている「インテリジェントドライバモデル(以下,IDM)」を利用することとした. (2) IDMを構成する5つのパラメータには,異常を含むドライバの状態,特性が反映されていると考え,パーティクルフィルタと呼ばれる最適推定手法を用い,IDMのパラメータを動的に推定した結果,ドライバの実際の運転行動を高い精度で推定できることを確認した. (3) 推定したIDMのパラメータからドライバの異常を検知する手法を検討した.先行研究等を参考に取り組みを進めた結果,ドライバモデルパラメータを用いて,先行車に対する注意力の有無を判別する手法を開発した.先行車への注意力が必要な運転場面において,その注意力が欠如しているときに,異常であると定義した. (4) ドライビングシミュレータ実験を実施し,取得した実際のドライバの運転行動データを用いて提案した手法を検証した結果,高リスクな運転環境でも先行車への意識が欠如しないドライバの存在や,逆に先行車への意識が容易に低下するドライバの存在を明らかにすることができた.ドライバが潜在的に有する通常とは異なる異常運転を浮き彫りにすることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
潜在的な異常を検知する新たな手法を独創的な観点から提案,開発し,実データを用いてその性能を評価検証できた点において,概ね順調に進展していると自己評価した.しかしながら,今年度は所属機関を異動した年度であり,研究室の立ち上げ等に予想外に時間を要したため,研究論文等の成果発表まで十分対応できなかった.成果を発表するための取り組みは十分実施したため,次年度以降に成果を発表するように引き続き研究を進める.
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Strategy for Future Research Activity |
2025年度(2年目)は,2024年度(1年目)に開発した異常検知技術のプロトタイプを様々な運転環境で検証することを目的とする.様々な属性を持つドライバや一般的に想定されうる様々な走行環境をリスクの高い状況も含めてドライビングシミュレータに模擬し,被験者実験を通じて質の高い多くのデータを収集する. そして,開発した異常検知技術をこれらデータに適用し,その検知性能を定量的に評価し、その妥当性や有用性、既存手法との優位性を詳細に検証する.より多くの一般的な環境で提案技術を評価し,必要に応じて追加の機能や修正を加え,異常検知技術をより確固としたものにするべく,引き続き研究を進める.
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