MRブレーキの力制御による安全接触可能な多リンクシステムの構築と安全制御理論の進展
Project/Area Number |
23K04318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
南山 靖博 久留米工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (20549688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 高徳 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (00195405)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 受動制御 / MR流体 / MRブレーキ / 安全接触 / 本質的安全設計方策 / 空気圧ゴム人工筋 |
Outline of Research at the Start |
これまで人間と機械(ロボット)との接触は危険とされ,工場等では人間と機械とをフェンスなどで隔てることで安全を確保してきた.しかし,人間共存型ロボットは人間と接触して仕事をするのが作業の一つとなるため,接触を禁止することはできない. 人間共存型ロボットの普及を目指すためには,人間とロボットが接触してもなお,人間に危害が生じない,新たな安全制御理論や制御手法を開発し,実験によって実証することが必要である.そのため申請者は独自に提案している「囲い込み制御」理論を進展させ、MR流体(Magneto-rheological fluid)を利用したブレーキ機構による安全制御の手法を開発することを着想した.
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Outline of Annual Research Achievements |
市販されていたMRブレーキは種類が少なく大型であり,また生産が中止されたため,独自にMRブレーキを設計し,各実験装置に適したMRブレーキの作製を行っている.これまで学生に任せていた設計を自分で見直し,小型軽量化を向上させ,組み立て中にMR流体が漏れないよう内側のカーラーでもネジを締めるようにし,そのネジを締めると全体が密着する構造にする.強磁性体と非磁性体を効率よく配置することで,MR流体に磁束密度を集中させる.非磁性体の部品作製に3Dプリンタを使用し複雑な形状の部品を作製する. そのMRブレーキを使用し,軸を持ち上げ方向に回転させ,本体にアームと錘を取り付けることで,電圧を上げるとアームが持ち上げ方向に回転し,電圧を下げると重力により下げられる実験装置を作成し,連続位置決めと正弦波軌道追従制御の実験を行う.また,2軸に拡張させ円軌道追従と直線軌道追従を行う. またMRブレーキ2つを作製して組み合わせ,軸に2つの異なる回転をそれぞれに与え,各ブレーキの印加電圧を制御することにより,水平方向の回転を制御する拮抗揺動型MRアクチュエータを作製し,制御実験を行った.さらにこのシステムを2リンクに拡張させ,円軌道追従制御を行う. 揺動型空気圧アクチュエータに作製したMRブレーキを取り付け,2軸に拡張させブレーキ制御による円軌道追従と直線軌道追従制御を行う. その他,MRブレーキと空気圧ゴム人工筋を使用し,1対(2本)の人工筋で2軸の制御が可能な装置においては,人工筋の強力な張力に耐えられる高い制動力を持つMRブレーキを作製する.通常,1軸に対してそれぞれ1対以上の人工筋が必要なため,2軸を駆動させるためには2対(4本)の人工筋が必要であるが,2つMRブレーキによって駆動させる軸を切り替えることによって1対の人工筋で2軸を駆動させる.ブレーキを掛けていない状態でのトルクが大きいため,現在新たなMRブレーキを設計する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度も新しく配属された学生を中心に,これまで作製したMRブレーキの問題点などを基に新たなMRブレーキの作製を行った.これまで設計を学生にほとんど任せていた為,自分でMRブレーキの設計を行い,小型軽量及び組み立て段階でMR流体が漏れない構造を目指した. 揺動空気圧アクチュエータは小型のMRブレーキを新たに作成し,昨年作製したMRブレーキとの2つを使用し,2リンクの実験装置を構築し,連続位置決め制御と正弦波軌道追従制御を行った.2リンク目を駆動させるワイヤに滑りが生じてしまい,誤差が大きくなってしまった.そのためワイヤの巻き方を変え滑りを生じさせない構造が必要である. 拮抗揺動型MRアクチュエータはより小型にするため,新たに装置を設計・製作を行ったが,片方のMRブレーキの軸が回転せず,原因が分からず改善できなかったため,実験を行うことができなかった. 空気圧ゴム人工筋の実験装置はこれまで本体に2つのMRブレーキを設置し,それらの回転をワイヤを介して2リンク駆動に伝達していたが,各関節に直接作製したMRブレーキを設置する構造の装置を新たに設計・製作した.MRブレーキ個別の状態ではブレーキの制動力を確かめることができたが,2リンク装置に組み立てると制動力が得られず,実験を行うことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
作製された小型のMRブレーキを各装置に適用した形状で作成し,各実験によって,制御性能向上を図る. 空気圧ゴム人工筋はワイヤで伝達する方法で戻し,MRブレーキはそれに合った形状で作成し,ワイヤを取り付ける際はテンションプーリーを取り付け,遊びが小さくなるようにする. 拮抗揺動型MRアクチュエータはMRブレーキを分解し,動かなかった原因を追究し駆動可能な状態に整えて,実験を行う. 揺動空気圧アクチュエータは連続位置決め制御,正弦軌道追従制御に加えて,円軌道追従制御・直線軌道追従制御によって,本装置の有効性を検証する. これまでの実験成果を基に提案している囲い込み制御の理論を進展させ,安全制御理論を進展させる.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)