Project/Area Number |
23K04341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
武田 茂樹 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (50323209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 冉 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (70882314)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 豪雨災害 / 越流 / ミリ波レーダ / 流速 / 点群 / 流速マップ / 防災 / 水位計測 / 水害 |
Outline of Research at the Start |
近年、線状降水帯の発生による集中豪雨のために、水害被害が頻発している。多くの場合、豪雨による河川堤防の決壊や越水が水害被害発生の発端となっている。集中豪雨が夜間に発生する場合、既存のカメラによる監視では、水害被害状況をリアルタイムに知ることはできない。このため、迅速な避難計画立案や避難指示が困難である。そこで、本研究課題では、ミリ波レーダを用いて夜間や悪天候時に水位や流速を測定することで、水害発生状況をモニタリングする手法を確立する。さらに、複数のミリ波レーダを組み合わせて広範囲な情報を得るInternet of Radarsの構築を目指して、“水位/流速マップ”を作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本では、台風や線状降水帯などの影響で、大雨に伴う堤防決壊が頻発している。国土交通省のデータにより、堤防決壊の主要原因の一つとして「越水」が挙げられ、越水しても決壊までの時間を引き延ばす「粘り強い堤防」が強く求められている。粘り強い堤防の技術開発のため、越水の測定や数値化も必要となる。本年度は、ミリ波レーダによる流速測定精度確認等を目的として、ミリ波レーダによる越水流速測定法及びその測定データの補正法について検討した。実規模の越流装置を用いて流速測定実験を行った。 ミリ波レーダによる越水流速測定として、長さ4mの斜面を疑似堤防として、キャピラリーバリア層として、貝殻のジオマットを配置した。本装置は最大水深30cmの越流が発生可能で、堤防構築素材の強度を実験で検証する。ミリ波レーダを発泡スチロール製の防水ケースに入れ、斜面先端の真上70cmに設置して行った。使用したレーダは、79GHz帯の周波数連続変調(FMCW)方式を採用している。レーダパラメータは、距離分解能0.15 m, 最大測定可能速度は8.69 m/s、速度分解能は0.13 m/sのように設定した。越流が発生するとき、送信信号が斜面上の波立ちにより反射し、受信されることで、レーダと波の距離、角度、波による反射経路方向の速度が測定可能である。実際の水流流速の方向とレーダによる流速方向は異なるため、測定速度の補正も行った。 実験結果により、本装置で測定した流速ヒートマップや、1mごとの最小最大速度と平均速度などが得られた。また、流速マップとして可視化するための十分な数の点群データが得られることも確認できた。また、流速は、ピンポン玉とドローン搭載カメラによる動画による測定とも比較された。 この測定を行えたことで、豪雨災害時の流速を点群として可視化できることが実証でき、次年度以降の流速マップ作製の可能性を検証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミリ波レーダセンサによる流速測定、角度補正、また得られる点群数、流速測定精度などが、実寸大堤防の水路による実験により確認することができた。 流速速度や角度補正については、処理後の流速が、傾斜水路の下方に行くほど、加速することが確認され、事前の予測と一致する結果であった。また、ピンポン玉を水路に流し、飛行するドローン搭載カメラから取得した動画を基に取得した流速データとは大きな差はなかった。なお、ピンポン玉は、風などの空気による影響を受けることもわかった。 点群については、1分から2分程度の観測においても、水路に沿った流速分布をマップ化して可視化するのに十分な数が得られることが確認できた。 流速測定には、さまざまな方法がこれまでに提案されているが、非接触で、点群として流速を取得できる方法として、ミリ波レーダセンサの利用は、非常に有効であることが確認できた。また、夜間マップ化などに必要な点群取得状況についても確認でき、可視化に十分な数の点群データが得られることも明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実河川における堤防越流に起因する水害を常時モニタリングできる電源などの開発を行い、それをミリ波レーダセンサとともに、実河川に設置する計画であり、この計画に向けた準備を進めている。これにより、実河川での点群取得状況や、流速マップ構築の可能性について検討し、解決すべき問題を確認することができる。 観測においては、リアルタイムに情報を取得できるように、WIFIルータの設置なども行い、流速観測システムのリアルタイムモニタリングの可能性について検証する。 また、電源確保の問題はあるが、観測結果の確認評価のために、カメラの設置についても検討する予定である。
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