Characterization of interfaces of soft particle and biological cells using electrophoresis with controlling applied electric field
Project/Area Number |
23K04397
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26030:Composite materials and interfaces-related
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深澤 智典 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (00589187)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 界面動電現象 / 電気泳動 / ソフト界面 / 柔らかい粒子 / 生体細胞 |
Outline of Research at the Start |
表面に高分子鎖の生えたソフト界面(高分子層)を有するモデル粒子および生体細胞を対象とし、印加電場を操作した電気泳動速度の精密測定に基づく、ソフト界面の精密(立体的)な特性評価法の確立を目指す。①種々の高分子鎖(高分子層)で表面修飾されたモデル粒子、②赤血球、③浮遊性や接着性など多様な種類の生体細胞を対象とし、印加電場を操作した精密電気泳動法により、様々な印加電場下における高分子鎖の特性(透水性, 荷電密度)を既往の電気泳動理論に基づき算出する。得られる詳細な実験データと、各試料の界面特性を関連付け、ソフト界面の特性(高分子鎖密度、鎖長、荷電密度、不均一性)の精密(立体的)な評価法を提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、主に感温性の高分子層(PNIPAM)を表面に有し膨潤・収縮の制御が可能なモデル粒子を作製し、温度を調整した電気泳動移動度の測定を行った。各温度条件において電解質濃度の増加に伴い電気泳動移動度の絶対値は減少した。電解質濃度に対する電気泳動移動度の測定結果に対して式をフィッティングすることによりパラメータとして柔らかさと電荷密度をそれぞれ求めた。 イオン種の影響:膨潤状態(20℃)では、LiCl水溶液中の方が柔らかさは小さくなり電荷密度の絶対値は大きくなった。一方で、収縮状態(40℃)では逆転しLiClの方が柔らかさは大きくなり電荷密度の絶対値は小さくなった。これは先行研究により報告されている、粒子表面特性(親・疎水性)と溶存イオン種との組み合わせによるイオンの集積構造の変化に起因すると考えられる。膨潤した (親水的)高分子層内部に水和イオン半径の大きなLi+は多く集積し高分子層内の電荷反発を打ち消すことによりCs+条件と比較してより収縮したと考えられる。一方、収縮した(疎水的)高分子層内部にLi+は集積しづらく高分子層内の電荷反発によりCs+条件と比較して膨潤したと考えられる。 高分子層厚みの影響:各温度において、高分子層厚みによらず柔らかさはほぼ同一の値を示した。高分子層内の透水性の観点では、厚みの違いによらず形成されている高分子層の状態は同一で高分子層密度に差異はないと考えられる。一方で、電荷密度は収縮状態(40℃)において高分子層厚みの増加にともないその絶対値が小さくなった。厚く大きな粒子は収縮した際に、膨潤状態には見られなかった高分子層の内側と外側で高分子密度差が生じたと考えている。高分子層の内側は、より高分子密度が高くコアに近い挙動を示し、完全に収縮しなかった薄く疎な高分子層の外側の特徴がより電荷密度に強く影響したと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル粒子として高分子鎖(高分子層)で表面修飾された粒子を作製し、種々の印加電場・分散媒条件における電気泳動速度の測定を実施した。特に、感温性の高分子層(PNIPAM)を表面に有する粒子を作製し、温度調節による膨潤・収縮の制御により、高分子層の膨潤・収縮および親疎水性の変化が電気泳動現象に及ぼす影響について評価・解析を実施した。 合わせて、ヒツジ血液を用いた電気泳動速度の測定も開始している。特に、浸透圧差による溶血を防ぐためのグルコース等の添加が電気泳動現象に及ぼす影響について精査した。 また、本助成金によりCO2インキュベーター、クリーンベンチ、超低温フリーザーを既に購入し、浮遊性や接着性など様々な種類の生体細胞を対象とした実験の準備も進めた。 研究全体としては、計画通り順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、モデル粒子として高分子鎖(高分子層)で表面修飾された粒子を作製し、種々の印加電場・分散媒条件における電気泳動速度の測定を実施した。特に、粒子の作製条件を検討し、高分子層の分岐や密度、電荷密度を変更した粒子を対象とする。また、ヒツジ血液を用い、ノイラミニダーゼによる高分子鎖中の電荷起源であるシアル酸除去処理や、トリプシンによる高分子鎖の切断処理など、高分子鎖の密度や荷電状態を調節し、電気泳動現象に及ぼす影響を評価・解析していく。さらに、生体細胞として浮遊性細胞(Jurkat:ヒト急性T細胞性白血病細胞由来)を用いた実験を実施し、その後に対象を拡大していく。最後に、得られる詳細な実験・解析データと、調製したモデル粒子の特性から、高分子鎖特性(高分子鎖密度、鎖長、荷電密度)の精密(立体的)な評価法を提案し、既往理論の修正・拡張を試みる。合わせて、細胞性状毎の表面特性の類似点・相違点についても整理し、細胞外マトリックスの評価への展開を示す。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)