Fe-57メスバウア分光測定による鉄置換3d遷移金属化合物の機能性発現機構の解明
Project/Area Number |
23K04421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
尾上 昌平 鹿児島大学, 先端科学研究推進センター, 技術専門員 (30897070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 佳一 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (70302205)
三井 好古 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (90649782)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | MnCoGe / Mn2Sb / MM'X / マルテンサイト変態 / 磁気熱量効果 / 擬一次相転移 / スピン再配列 / メスバウア分光測定 / 遷移金属置換型磁性材料 / 鉄置換 / MnCoGe系 / Fe-57メスバウア分光 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、複数の3d遷移金属占有サイトをもつ機能性材料のFe元素置換と機能性(磁気と結晶特性)発現機構を超微細構造特性から定量的に解明することである。 対象試料は、機能性材料候補としての見極めが活発に議論されているMnCoG系、Mn2S系(2つの3d遷移金属サイトを保有)とする。3d遷移金属磁気機能性材料の研究開発をさらに進めるため、サイト占有率と超微細構造特性等はメスバウア分光法によって、結晶構造特性はX線回折法によって解明し、材料の超微細構造評価と機能性評価の標準的手法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
3d遷移金属化合物MM’X(M,M'=3d遷移金属元素、X=典型元素)の遷移金属サイトを、別の3d遷移金属で置換することにより、1次磁気・構造相転移が発現し、巨大結晶歪みや磁気熱量効果といった磁気機能特性が得られる。一方、これらの物質の磁気機能特性は、研究者によって値が大きく異なり、機能性材料候補としての見極めが十分できていない。本研究では、2つの3d遷移金属サイトを有するMnCoGe系、Mn2Sb系に対してFe置換を行い、2サイトのの3d磁性元素置換と機能性発現機構との相関を、Fe-57メスバウア分光法を基盤に明らかにすることである。2023年度に得られた実績を下記のとおり示す。 1. MnCoGe系で得られた成果 MnCoGeのCoサイトをFe置換したMnCo1-xFexGeを、熱処理時間0~200時間で7水準作製し、室温~773 Kの高温XRD、10~300 Kの磁化測定、極低温15 KでのFe-57メスバウア分光測定を行った。熱処理時間と磁気機能特性との相関を今後検証する。MnFeGeのメスバウア測定から、熱処理温度に関わらず不純物相が生成することを明らかにした。一方、5元系Mn(Co1-xFex)(Ge1-ySiy)では、単相が得られた。 2. Mn2Sb系で得られた成果 高温メスバウア分光測定装置の開発を行い、15 K~室温の測定範囲のメスバウア分光測定装置を、高温側500 Kまで測定できるよう改良、LabVIEWを用いた温度制御システムを整備した。改良型メスバウア測定装置を用いて、Mn1.9Fe0.1Sb0.9Sn0.1に対して室温~353 Kの高温メスバウア測定を行った。置換元素が占有する2つのMnサイト占有率を明らかにした。四極子パラメータの変化から、スピン再配列を伴う一次相転移であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fe置換した3d遷移金属化合物のMnCo1-xFexGeに対して、XRD、磁化測定、Fe-57メスバウア分光測定を行うところまで完了した。機能性発現機構と超微細構造の相関を定量的に評価する素材が揃った。2024年度、これらの測定データの解析を随時進めて行く予定である。鉄組成比の小さい5元系Mn(Co1-xFex)(Ge1-ySiy)のメスバウア測定感度を向上させるため、Fe-57をプローブとして添加した試料を合成済であり、MM'Xの機能性材料としての可能性を評価する準備は整った。 メスバウア測定装置を高温測定できるよう改良したことから、Fe置換したMn2Sb系のメスバウア測定を前倒しで行った。また、Mn1.9Fe0.1Sb0.9Sn0.1の擬一次相転移温度領域でのスピン再配列の発生を観測した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、MnCo1-xFexGe合金の磁気・構造特性に係る測定結果の解析を推進する。熱処理時間と磁気機能特性の相関を検証する。また、熱処理によって単相にならないことが明らかになったMnCoGe、MnFeGeに対して、5元系Mn(Co1-xFex)(Ge1-ySiy)では、単相が得られたことから、5元系化合物の相安定性について検証する。磁気・構造特性の測定を推進し、MM'Xの機能性材料としての可能性を評価する計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)